第4回イベント開幕
そして、時間は流れ第4回イベント開始日当日、世間では夏休みが始まり、多くのプレイヤーがお昼からFLOにログインして午後6時から3時間かけて行われるイベントに向けた最終調整をしていた。
「ふぅ、他のクランの皆さん大慌てで準備してますね」
「それくらい大きなイベントってことだけど、僕たちは何も準備しなくて良いのかい?」
「はい、今から血眼になってレベル上げをしても今の私たちのレベルじゃ1、2レベルくらいですから。準備運動がてら1時間前に訓練場で色々やるくらいで良いです」
落ち着いた雰囲気のルーンの言葉に集まっているクランメンバー全員が納得していた。
「じゃあ、身体は動かさず情報共有でもしない?この期間で色々知ることができた情報もあるから」
「良いですね先輩。それならボク、面白い情報ありますよ。【蒼空学園】のものですけど」
「【蒼空学園】のことか…聞かせてくれ。俺はあいつら特にキョウヤと戦いたって勝ちたいからな」
シュウは目を輝かしてアニが言った面白い情報を聞き出そうとした。
「そんな勝ちに繋がるものって感じじゃないですけど…イベント用に【蒼空学園】のメンバー全員に装備が配られたって話です。聞いた話では緋色の学生服の装備だって」
「へぇー、でも案外それは使える情報ですよ。【蒼空学園】のメンバーだって一発で分かりますから」
「じゃあ、次は私が情報を出しましょうか」
ルーンたちは小さな情報をメンバー内で共有し、5時になったところで訓練場に移動した。
「よーし、じゃあメニュー無限骸骨海賊をやるけどみんな準備は良いですか?」
「「「「「「「了解!」」」」」」」
クランメンバー全員が反応したのを確認して、タッチパネルを操作して骸骨海賊を召還した。
「今日はイベントがあるから10分短くして50分間、誰も死なず、無限に出てくる敵に対抗してください!」
「分かってますよ師匠!このメニュー、今日までに何回やらされたと思ってるんですか」
「そうですよ。まぁ、ルーン先輩が作ったこのメニューのお陰で私も1時間だろうと時間だろうと戦い続けてもバテない集中力を手に入れられましたからね!」
全員がお互いをカバーしあったり強みを生かし合ったりして行う無限骸骨海賊という名前のこのメニューでクランメンバーの集中力持続能力の向上や、どのメンバーとも連携がとれるようになるなどルーンが期待してた以上の成果があげられていた。
そして、訓練場で準備運動がてら50分間戦闘を続け、全員がクランハウスに戻ってきた。
「おーし、これで準備万端だなリーダー」
「そうですね。じゃあ、今回のイベント用の作戦を最後にみんなで確認しましょう」
「ほ、本当にあれやるのか?」
「はい、やります。もう結託したクランがありますので、裏切ったら負けるのはこっちです。物量ではこっちは勝てないですから」
ルーンの言葉を聞いて全員の空気が重くなったが、ここまで来たら全員がやるしかないということを分かっていた。
「る、ルーンちゃん…その作戦の説明はとりあえず良いよ。最後に円陣でも組もうよ」
「それもそうですね。最後まで堅苦しいのも嫌ですし、ここは士気を高めましょう」
「じゃあ、みんなで円陣を組みますよ。ほら、みんな早く早く!」
シルクに急かされ、全員がクランハウスの真ん中で円陣を組んでいる状態になった。
「ルーンちゃん、掛け声お願いね」
「はい!それじゃあ、いきますよ【犯罪者の夜】オー!」
「「「「「「「オーーー!」」」」」」」
ルーンの掛け声に続き、全員がオーーー!と言ってそのままイベントフィールドに転移された。




