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飛行訓練と白い狼

デスペナルティを終えたルーンとシルクの2人はルーンの【月狼の毛皮】とシルクの箒での飛行訓練のために【月狼の洞窟】に来ていた。


「ねぇルーン、私は洞窟内の構造は知らないけど大丈夫だよね」


「うん、私は初めから周回するつもりでここにきてたし、一回目で覚えた」


「さすがはルーンっていったところだね」

シルクはあっさり納得しているが、一層では一番広いダンジョンである【月狼の洞窟】のマップを一度で覚えられるのはルーンくらいである。


「じゃあ、ダンジョンの中でシルクは飛ぶ練習して、私は雑魚を狩ってその後はボス部屋でボスを倒してを繰り返す形でいい?」


「いいけど、ボスは2人で倒せるの?」


「大丈夫だよ。シルクは飛んでれば安心だし、私には【気配遮断】があるから」

ルーンは軽い感じでシルクの質問に答えるとさっさと洞窟の中に入っていった。


2人は特に何ともなく道中の敵を倒しつつ、シルクは箒で飛ぶ練習をしていた。


「シルク、だいぶ安定感出てきたじゃん」


「うん、コツ掴んだら何かいい感じになってきた」

シルクによると、箒に乗っている感覚はペダルがない自転車のような感じらしい。


「ルーンあれ見て、あれエイルさんが言ってた亜種ってやつじゃない?」


「えっ、どこ…あっあれか確かにそうっぽいね」

2人の視線の先には今まで見たこと無い白色の狼が他の狼に混ざっていた。

「亜種って確かレアドロップ確定だったよね」


「うん、そうだね。とりあえず、倒してみよう」

そう言ってルーンとシルクは白い狼がいる狼の群れに攻撃をしかけ始めた。


「【ウォーターボール】【ライトボール】」


「【ゴーストカッター】【ダブルスラッシュ】」

2人の攻撃で白い狼以外の狼は全滅していたが白い狼には攻撃は一発も当たってなかった。


「って、あの白い狼レベル16じゃん」


「シルク、忘れたの。エイルさんが亜種は推奨レベルの2倍のレベルだから注意した方がいいっていってたでしょ」


「わ、忘れてないよ。でも、2人なら何とかなるでしょ。ルーン下がって、遠距離から私が仕留める」

そう言って、シルクは箒に乗ったまま攻撃を続けルーンはそれを遠目に見ていた。


「よし、倒したからこっちに来ていいよルーン」


「安全だからいいけど私にも倒させてよ」

そう言っているルーンをよそにシルクはお目当てのレアドロップのアイテムを確認した。


「へぇー【白狼の毛皮】っていうのか…多分だけど防具系の素材だろうし、今度エイルさんに何か防具作ってもらおう」


「いいんじゃない。シルクだから白い防具なんて安直だけどいいと思うよ」

そんな会話をしながら2人はまたボス部屋に向かうために洞窟内を進むことにした。






数十後、2人はボスを倒してボス部屋のなかで一段落していた。


「それにしても、シルクがいたから私も無傷で助かったよ」


「まぁ、空中での戦闘には向いてないボスだったから上から魔法放ってるだけで勝てたからあんまり手応えはなかったけど」

そう言いながら、シルクはルーンの上をぐるぐると箒で飛んでいた。


「あっ、そういえばルーンはお目当てのものあと何個なの?」


「あと、93個だよ。本当に終わる気がしないよ」


「ははは、確かにそうだけど多分来月中には終わるんじゃないの」


「そうだといいんだけど…っよし、もう一回ダンジョン攻略しよっか」


「わかった。もう一回行こう」

そう言いながら2人は洞窟の入り口に移動する魔方陣にのり、またこのダンジョンを攻略することにした。

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