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ブランの正体

ルーンとブランの戦闘が始まって1分が経ち、どちらとも相手の出方を探るように全くスキルを使っていなかった。


「うーん、なんか地味な戦闘だね」


「まぁ、ルーンちゃんが今使える攻撃スキルって言ったら蹴脚系スキルくらいだからね」


「そうは言ってもリーダーもあのブランって子どもも、どっちとも知り合いなんだろ。探り合いなんかしなくたって別に良いだろ」

本来ならばシュウが言う通りであったが、このときの2人はそれぞれ考えを巡らせていた。


(このブランって子が私の推測が正しくて正体があの人だとしたら、全く情報が無い。その上、ここまでスキルを使ってこないから情報も引き出せない)


(師匠のナックルを使ってるときの戦闘スタイルは分からないけど、ここまでスキルを使ってこなかった。なら、ナックルの武器スキルを持ってないって考えで正解のはず…。仕掛けるなら今だ!)


「【蜘蛛の糸】【ポイズンニードル】」

ブランはルーンの顔面の横に糸を伸ばし、奥の壁に張りつけるとその糸をゴムぱっちんのようにして急速にルーンに近づいて攻撃してきた。


「よし、来た!【影透かし】」


「なっ、透けた!」


「アイテム【煙幕玉】」

ルーンは身体を透かしブランの突撃を躱すと、糸によって奥の壁にひきつけられるブランの着地点を予想して目眩ましの【煙幕玉】を投げつけた。


「うっ…目眩ましですか…」


「そういうことだよ。ブランちゃん…いや、女郎蜘蛛さん」


「グハッ…」

ルーンは煙幕のなかでブランにそう囁きながら、ナックルの攻撃を腹に入れた。


「うぅ…なかなかえげつないパンチしてますね師匠」


「まぁ、STRは結構上げてるからね。それと、さっきの私の言葉合ってるかな?」


「はい、当たりですよ。でも、今の私はあの人の命に従ってここに来たブランですから!」


「つまり、みんなには上手いこと誤魔化してほしいってことで良いんだよね!」

ルーンとブランはお互いに殴り合い、躱し合いながら話をしていた。


「ルーンちゃんとブランちゃんが何か話してるのは分かるんだけどなんて言ってるのかな…」


「えっ、フィアさんここから何か聞こえるんですか!」


「いや、何か会話してるのは聞こえるってだけで、話の内容は全く聞こえないんだよ…」


「じゃあ、決闘場の音を最大にすれば良いんじゃないの?ほら、こんな風に…」

エイルの言う通り全員が決闘場の基本システムにある音声を最大にした。


「あぁ、そうですよ。師匠はあの人たちを上手いこと丸め込んでくれれば良いよ。そうしたら、私はあの人に言われた通りあなたのクランに入るから!」


「それくらいなら大丈夫だよ。それにブランちゃんも入らないと怒られるんでしょ。まぁ、勝っても負けても入れてあげるけど今は本気でやってよね!」


「じゃあ、本気でいきますよ!【蜘蛛ノ巣】」


「これくらい…【回し蹴り】」

ブランは【蜘蛛ノ巣】でルーンを拘束しようとするがルーンはそれに反応して、【回し蹴り】でそれを切り裂いた。


「みんな、今のルーンの言葉聞いた?」


「あぁ、聞いた。ブランが丸め込むとか言ってそれをリーダーはあっさりと受け入れたよな…」


「それって、つまりどういうことになるの…」

ルーンとブランの話の一部始終を聞いていたクランメンバーに疑念が発生した瞬間だった。

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