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ルーンの招集

第3回イベントの報酬受け取り期間も終え、ルーンの要望で日程と時間が合うタイミングに【犯罪者ギルティナイト】のメンバーはクランハウスに集まった。


「リーダー、今日は何の集まりだ?まだ、次のイベント情報も何も出てないのに」


「そうですよルーン先輩。わざわざ全員集めて一体何の話をするんですか?」

ルーンのこの招集に疑問をいだいていたシュウとアヤメの質問に答えたのはルーンではなくエイルだった。


「僕が今後のことについて重要な情報がいくつか手に入ったから共有しようってことでルーンちゃんが招集をかけたんだよ」


「重要な情報か…やっぱり次のイベントについてとかですか?エイルさん」


「まぁ、その関係もあるんだけど前もって言っておくけど初めはこの情報はクランリーダーのルーンちゃんにしか教えない予定だったけど、ちょっと事情があってね」


「はい、うちは少人数なんで共通認識を持っといた方が後々良いのかなと思いまして」

ルーンはいつもと少し雰囲気が違い、優秀で仕事が出来る人が放つオーラを纏っていた。


「とりあえず、私がエイルさんから聞いた情報と個人的な見解も含めて話したいと思いますがいいですか?」


「は、はい…」

ルーンのいつもと違う雰囲気をその場にいるクランメンバーは異質なものと感じた。


「ちょっと、シルク。ルーンがいつもと全然違う雰囲気なんだけど…」


「あぁ、ルーンの雰囲気が変わることはよくあるんだよ。今は真剣なときの雰囲気だね。今、ルーンに冗談を言っても白い目で見られるから」

アニが小声でシルクに聞くと、シルクも一切冗談を言っているようには思えない返しをしてきた。


「はい、じゃあまずこの情報の提供してくれた人物なんですけど、皆さんはこのゲームの【情報屋】ってご存知ですか?」


「【情報屋】ってゲーム全般の攻略情報を載せてるサイトだよね。私も色々なゲームでお世話になったから印象深いけど、FLOの攻略情報は取り扱ってないよね」


「はい、フィアさんの言う通り【情報屋】というサイトにはFLOの攻略情報に関しては特にありません。ですが、ここ最近その【情報屋】を名乗る人物がこのゲームに現れるようになったと聞きます。その人物とエイルさんは接触したそうです」

ルーンの言葉にほとんどのメンバーはピンときていないようだったが、1人そのことに覚えがある人がいた。


「それって、【情報屋】アーツのことだよなリーダー。俺は都市伝説かと思ってたけど実在したのか…」


「そうだよシュウくん、僕が会った身を隠すためのローブを着てた男もそう名乗ってた」

シュウの言っている【情報屋】アーツとはリリース開始時から、噂にはあがっていたお金を対価に情報を売ってくれるという神出鬼没の存在であり、接触したという報告はあったがどれも信憑性が低く、都市伝説程度の話であった。


「それで、エイルさんはそのアーツとかいう情報屋から情報を買ったってわけですか?」


「あぁ、それでちょっとルーンちゃんにそのことと買った情報について話したんだよ」


「それで、その情報って結局何ですか?」


「それは…他のクランの情報だよ」

エイルは少しためてから言うと、クランメンバー全員に衝撃が走った。

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