第3回イベント終了
女郎蜘蛛の騒動から3日経ち、第3回イベントは終了、結局誰1人としてプレイヤーがプラチナ以上のコインを手にすることなかった。
「はぁ、結局あの女郎蜘蛛のルートのせいで違うクランでドロップできるかはわからなかったし…」
「まぁまぁ、誰もプラチナコイン以上を手に入れられなかったんだからしょうがないでしょ」
ルーンがシルクを励ましていると、クランハウスにフィアとアニが入ってきた。
「おぉ、2人ともいたのか」
「あっ、久しぶりです」
「そうだね。同じクランだけどボクとフィア先輩はプレイする時間帯と2人がプレイする時間は少し違うからね」
アニはそう言ってシルクのとなりに座り、フィアは4人分のお茶をいれ始めた。
「そういえばお二人はコインを消費したんですか?」
「私たちはまだだけど、そういう2人はどうなの?」
「私たちもまだですよ。今からやろうかなって思ってたところだったので」
「じゃあ、お茶はいらなかったかな」
フィアはそう言いながら3人と自分の前にアイスティーを置いた。
「いや、お茶の方はありがたく飲ませてもらいますよ」
「まぁ、焦ってもしょうがないしね」
「そうですよ。ガチャは逃げないですから」
ルーンたちが話している今回のイベントの商品交換の方式というのがまさかのガチャであった。
「でも、そのガチャもかなり渋いらしいからあまり期待しない方が良いかもね」
「そうらしいですけど一部では珍しい素材だったり、武器だったり、スキルなんかも手に入ったって話ですけど…」
「それはシルバー以上でときたまの話だよ。ネットはプラチナ以上が出ないだ、珍しいものが全くでなかったとかで軽く話題になってるよ」
フィアの言う通りネットでは今回のイベントへの不満を言っているプレイヤーが大多数であった。
「それでも何かルーンとかシルクならヤバイものを当てかねないなぁ。エイルさんからも聞いたけど見たこともない素材やクエストを何個も見つけてきたとか…」
「ははは…それは本当に偶然で狙ってやったものでも無いですし、偶々が重なっただけですよ」
「でも、ルーンちゃんとシルクちゃんが何か持っているのも事実だよ。って、私が言ってもあんまり意味無いか」
「そうですよフィア先輩。あなたの氷だって偶然が重なってできた産物じゃないですか」
アニのこの一言にルーンとシルクは目を輝かせるようにして興味を示した。
「その話はまた今度、機会があったらしてあげるよ」
「お願いしますよ。なんか面白そうな匂いがしますから」
「じゃあ、全員でガチャしに行きますか?」
「そうだね。まぁ、そうは言っても各々が別空間でガチャを回すから結果報告はまたここで」
フィアがそう言いながら、アイスティーのグラスを片づけると全員でガチャのある空間に各々ワープした。




