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予想した条件

4人が向かったのはルーンとシルクがシュウに教えてもらった【毒蜘蛛の廃鉱山】だった。


「誘ってくれたのは嬉しいけどよ、なんであの一本道のダンジョンに行くんだ?」


「コイン集めですよ。あそこは効率が良いんです」


「じゃあ、なんでシルクは私たちを誘ったの?コイン集めなんて他のクランとやる必要はないんじゃない?」


「たしかにただコイン集めをするだけなら2人は呼びませんけど、私なりに考えがあるんですよ」

シルクはそう言って腕を組むと頭のなかで言うことを整理するそぶりを見せ、話し始めた。


「おかしいと思いませんか?イベントスタートから5日と数十時間経ってるのにプラチナコイン以上が一枚も発見されて無いんですよ」


「まぁ、たしかに今まで一枚も出てないとなるとあるのかすら怪しむレベルのドロップ率の低さだな」


「そこで、私は考えたんです。プラチナコイン以上は何か条件があるんじゃないかって。例えば時間とか場所とか倒すモンスターとか」


(まぁ、条件があるって私が始めにシルクに相談したんだけどそれは黙ってあげるか)

シルクが自慢気に話しているが元々3日前にルーンがなんとなく条件があるんじゃないかと思い、シルクと色々と条件になりそうなものをシラミ潰しのように試していた。


「それでシルクは私たちを呼んでその条件ってやつを達成しようとしてるの?」


「今回目をつけたのは他のクランメンバーとパーティー組んでモンスターを倒すって条件」


「なるほど、クラン機能が追加されて最初のイベント…たしかに他のクランは基本敵対関係にあるからそこを条件にするってあるかもしれないな」


「それで私たちの知り合いのなかで他のクランって言ったらこの前悪魔と戦ったときにフレンド登録したリリスかなって思ったから」


「なるほど、それでリリスを連れてきたのか」

ルーンもシルクが予想した条件は知らなかったので納得がいったような顔をしてリリスの方を見た。


「ひぃぃ、やっぱり私来ない方が良かったですよね。今からでも帰ります。それじゃあ」


「ちょっと待った。もう、目的のダンジョンはそこだし、誰もお前を帰そうとはしてない」


「うぅぅ…」


「じゃあ、さっさと入りますよ」

帰ろうとするリリスやそれを見て止めに入るチェイン、さらにそれを見てうなだれるルーンと、バラバラなパーティーにシルクはかなりの不安感を覚えた。

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