因縁と共闘
第3回イベントは絹塚の条件をクリアするプレイヤーが現れず、イベント終了まであと2日となった。
「あっ、ルーン先輩にシルク先輩。これからどこかに行くんですか?」
「うん、ちょっと待ち合わせがあるから」
「へぇー、誰ですか?もしかして先輩たちがスカウトした新しいメンバーとかですか?」
「うーん、違うかな。まぁ、それなりの成果は出すから楽しみにしていてよ。あと、前にも言ったけどアヤメはあんまり目立つことしないでね。うちの秘密兵器なんだから」
「はいはい、わかってますよ。それじゃあ、先輩たちは頑張ってきてください」
アヤメにそう言われ2人がクランハウスを出発し、目的の場所に向かった。
「はぁ、アヤメにはああ言ったけど私が参加ても良かったのかなぁ。恨まれたりとかされて無いよね。この前のアレ結構私が酷かったよね」
「多分、大丈夫なはず…。前会ったときもルーンのこと敵対視してた訳でも無いと思うから…」
シルクの力のこもって無い返しに、ルーンは若干へこんだ様子を見せた。
「ま、まぁ、ともかくルーンは心配しなくて良いから。最悪私が仲直りの仲介してあげるから」
「う、うん…」
今度はルーンが力の無い返事をすると待ち合わせ場所にルーンたちの方に向かって手を振っている男が見えた。
「お~い、ルーン、シルクこっちこっち」
「あっ、チェインさんこんにちは。あと…」
「あの…リリス?チェインさんの後ろに何で隠れてるの?」
ルーンとシルクの待ち合わせ相手とは第2回イベントで2人と接点があったチェインとリリスだった。
「えっ、いや…だって、あの…」
「もしかしてリリス、ルーンが怖いの?」
「えっ、そ、そんな訳無いでしょ。この私が自分よりランキングが低いルーンさ…ルーンを怖がっているなんて」
「ふぅ、それなら良かった。イベントのときは頭に血がのぼっててあんなこと言ってごめんね。私もあれは言いすぎたって思ってるから」
そう言ってルーンはリリスに手を出して握手を要求する仕草をすると、リリスは一瞬ビクッとしたあと恐る恐る震える手を出してルーンと握手した。
「そういえばなんでチェインさんとリリスが一緒にいるの?」
「なんでって2人が同じクラン【First Stars】のメンバーだからだよ。っていうかリリスはそのクランのクランリーダーだし」
「えっ、そうだったんですか!って、First Starsと言えば大手の芸能プロダクションじゃないですか」
ルーンの言うFirst Starsとは、モデルやタレント、芸人に文化人など様々なメディア露出のある人々が所属している芸能プロダクションであり、今の芸能界の中心にある団体と言っても過言ではないほどの大企業である。
「うん、リリスはそのVtuber部門の所属で俺はリリスのマネージャーをやってる。あっ、ちなみにこのことはくれぐれも内密にお願いね」
「わ、わかりました。あの…そろそろ行きませんか?なんか人だかりができてるので」
「えっ、本当だ!いつの間に!」
「しょうがない。この続きは目的地に着くまで歩きながら話そう」
そう言うとチェインが人だかりをかき分けできた道を残りの3人が進んで行った。




