喧嘩別れ
「まぁ、ぶっちゃけ相方との喧嘩別れだよ」
「喧嘩別れ…ですか?」
ルーンとシルクはシュウの言っている意味をいまいち理解することができなかった。
「あぁ、言葉足らずだったか。俺はここにくる前、数日だがクランに所属してたんだよ。しかも、ここと同じ最大規模のクラン【蒼空学園】ってところだ」
「【蒼空学園】って、風神と雷神がいるあの…」
「ルーン、【蒼空学園】って?それに風神と雷神っていったい…」
「それは…」
「いや、俺が説明した方が早いから大丈夫だ、リーダー」
シュウはそう言うとシルクに【蒼空学園】というクランについて話し始めた。
「【蒼空学園】っていうのはクランレベル10の規模のクランでクランメンバー全員を小学生から大学生までに絞っている変わったクランだ。あと、さっき言った相方がそのクランのリーダーで現ランキング10位、【全魔法反射】のキョウヤだ」
「ランキング10位って、そんな凄い人とコンビ組んでたんですか!」
「いや、シルクも私とコンビ組んでるでしょ」
「あっ、そうか。それで、シュウさんが言った喧嘩別れって何があったんですか?」
シルクがシュウに経緯を聞くとシュウはとてつもなく気まずそうな顔をした。
「いや、まぁお互いの考え方の違いってやつだよ」
「へぇー、それでシュウさんはそのクランを脱退したって訳ですか?」
「あぁ、それで俺は【蒼空学園】っていうかキョウヤに復讐ってわけでもないけど、イベントとかで対等に戦えるクランに入りたかったってだけだ」
シュウのカラッとしたような理由にルーンは納得したような表情をうかべた。
「なるほど、だから同じ最大規模でランカーが複数人いるうちのクランに入ろうと思ったんですか?」
「そうだな。まぁ、正直ここのクランじゃなくてもよかったんだけど今はここにきて良かったって思ってるけど…そんな理由じゃダメか?」
「いや、変に媚びるような嘘の理由を言われるより全然マシですし、目的があって入ってくれた方がこっちもやりやすいですから」
「そう言ってもらえるとこっちもありがたい」
シュウがそう言ってルーンに右手をだすとルーンも右手を出して、がっちり握手をした。
「まぁ、今の戦力を考えるとクラン単位のバトルイベントがあっても絶対に戦いたくはないですけど」
「たしかに数が圧倒的に違うからなぁ」
「でも、うちにはフィアさんがいるし数に関してはさほど問題にもならないんじゃないですか?」
「そうだったな。でも、キョウヤがいるから…」
そんな感じでこのあともシュウは【蒼空学園】についてのことを2人に話してくれた。




