表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
183/299

1つの家族

ルーンはフィアの少し長い昔話を聞きながら、アイスティーを飲んでいた。


「それでフィアさんは責任をとるために、親代わりになるために私のクランに入ったってことですか?」


「確かにそれもあるけど、結局一番は血のつながりが無くても、戸籍上のつながりが無くなっても私の大切な姪っ子と仲良くしたかったからかな」


「ふーん、そうですか~」

ルーンは窓の外に目をそらしながら照れ隠しをするように呟いた。


「う~ん、私が質問してたのになんだかんだで私の心境まで語っちゃったね」


「そう言えばそうでしたね」


「だから、ルーンちゃんもなにか質問してよ」


「フィアさんがそう言うなら…あっ、じゃあなんで魔法使いになったのか教えてください。フィアさんならフェンシングみたいな細剣とかそれでなくても近接武器の方でも活躍できるだろうし…」

ルーンは頭に浮かんだふとした疑問、というかフィアという人物を知っている人なら当然の疑問だった。


「それはアニにも言われたけど、もちろんゲーム始めてすぐは近接武器、特にルーンちゃんも言ったように細剣を使うことの方が多かったけど、今では他のゲームでも弓とか杖とか大剣とか色々と使うよ」


「へぇー、でも細剣使った方がフィアさんは100%の力で戦えるんじゃないんですか?」


「そうかもね。でも、細剣を使っちゃうとあまりにもヌルゲーになっちゃうゲームとかもあったから。私は勝つよりも楽しみたい、いわゆるエンジョイ勢だよ」


「えっ、えぇ…」

ルーンはこのゲームのトッププレイヤーがただのエンジョイ勢気分でプレイしてることに少しひきつつも、なんだかそれがフィアらしいとも思えた。


「まぁ、いいや。そんなことよりそこで盗み聞き、しながら泣いてる人たちも出てきたら?」


「そういえば始めの方からいましたね。私の後ろのテーブルに座ってる団体さんたち」

フィアとルーンの後ろのテーブルにはバレないように盗み聞きしていたシルクや他のクランメンバーもいた。


「あーあ、バレちゃってたか」


「さすがルーンとフィアさんって言うべきか…。バレないっておもってたんだけどなぁ」

エイルとシルクはそう言いながら変装していたのかサングラスとマスクを取った。


「それくらい私たちじゃなくてもわかるよ。っていうか、なんでアニは泣いてるの?」


「うっ…うっ…ぜんぱいが…ぞんなにっ…ヅラい思いをじでるなんで…じらながったがら…ボク…」


「いやいや、別に私の方はもうそこまで思いつめてないから。大丈夫だから」

泣いているアニをなだめるフィアを横目に今度はルーンにアヤメが話しかけてきた。


「まぁ、私はルーン先輩がどうしてもクランを作りたかった理由が聞けてよかったですよ」


「そう?なんか変だなとか思わなかった?」


「いや、リーダーの過去にそんなことがあったらそう思うのも無理ないと思うぞ。ここにいるメンバーは別にこのクランを作った理由がそれでも気にしないだろうしな」


「じゃあ、クランとして家族として私たちはいつでも1つってことで!」

ルーンがそう言うと他のクランメンバーも笑いながらそれに応じてくれた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ