残された者のティータイム
ルーンとフィアは話し込んでいるクランメンバーのなかからスッと抜け出して近くにあるカフェに入った。
「な…ルーンちゃんは何頼む?」
「じゃあ、アイスティーで」
ルーンは短く返すとフィアがテーブルにあるタッチパネルでアイスティーを2つ頼んだ。
「それで、ルーンちゃんは私と何を話したいの?」
「いや、特に何を話したいとかは無いんですけどえっと…何から話したらいいんですかね」
「うーん、じゃあ私から質問していい?」
「えっ、なんですか?」
そう言うとフィアはいつもの雰囲気と違う真剣な雰囲気になり、ルーンは空気がピンと張ったような感覚を受けた。
「ルーンちゃんはなんで自分のクランを作ったの?」
「えっ、えっと…」
「もしかして新しく家族の代わりになるようなものを作ろうとしたんじゃない?」
「そ、その通りです…」
ルーンはみごとに図星をつかれて不意に出てきたその一言しか出てこなかった。
「じゃあ、私がここに入って正解だったかな」
「それってどういうことですか?」
「ルーンちゃんは私と初めてこのゲームのなかで会ったときのこと覚えてる?」
「それって、フィアさんが私の目の前で火山を凍らせたときですよね」
ルーンはそう言いながら第2回イベントでフィアと会ったときのことを思い出した。
「そのときにルーンちゃんの顔を見てびっくりしたよ。あっ、奈月ちゃんもこのゲームやってるんだって」
「それがどうしたんですか?」
「いや、ルーンちゃんがイキイキしてゲームやってるから吹っ切れたのかなって思ったけど、私の人違いってこともあるだろうからそこでは声をかけるだけにしたんだけど…」
「したんだけど?」
ルーンが首をかしげるとフィアは少し笑いながら話の続きをした。
「そこから少しルーンちゃんのことが気になってイベントの振り返り動画とか見たらまさに動きは奈月ちゃんのそれだったからルーンちゃんの正体を確信したんだよ」
「なるほど…それでアニさんとリアルの私にクランに入らないかって誘われたからうちに入ったんですか?」
「いいや、多分私はアニに誘われなくてもルーンちゃんに誘われなくてもこのクランの門を叩いてたと思う」
「どうしてですか?ランキング2位ってだけで大小関わらずフィアさんのことを欲しがるクランはあるはずですし、どのクランだって入れてくれと言ったらその実力ならいれてもらえる気がしますけど…」
ルーンの言葉にフィアは首を横に振り、ルーンのその疑問に答えた。
「別に私はそこら辺の適当なクランには興味ないし、強いプレイヤーが集まるクランにも興味もないよ」
「で、でもなんでフィアさんは私のクランにそんなに固執してるんですか?」
「うーん、これが生き残った私の宿命っていうか使命って感じのものだよ」
「どういうことですか?フィアさんの宿命って…」
ルーンがそう聞くとフィアは自分の過去について少し長くなると前置きをして話始めた。




