絶氷の女王1
ルーンたちは作戦タイムを終えて、フィアの待つフィールドに入った。
「おぉ、ぴったり10分だ」
「早速ですけど3カウントしてもらっていいですか?」
「そっちこそ私の周りを6人で囲むとかしなくていいの?そんな全員横1列になって」
「別にこのままで良いですよ。これも作戦なんで」
ルーンがそう言うとフィアは3カウントをスタートさせ、アヤメは大鎌をシルクは右手に杖、左手に箒を出し、他のメンバーもそれぞれ武器を出してかまえた瞬間、3カウントが0になり全員が動き出した。
「【フェアリーアタックアップ】」
「【ファントムスラッシュ】」
「【フレイムアロー】」
「【ファイヤーホーミング】」
「【ボルケーノカッター】」
「【アイスシールド】」
アニが全員を強化し、フィアに一気にしかけた遠距離攻撃は全て1ミリ単位で避けられてしまい、ルーンの背後からの近距離攻撃も受け止められてしまった。
(うっ…やっぱりフィアさんの氷は固くて歯がたたない。でも、私がひきつけていればアヤメが…)
「【首落とし】」
ルーンを囮にした陽動作戦にアヤメの一撃必殺の攻撃に全員が決まったと思った。
「まずは1人目【アイスショット】」
「なっ!ぐはっ…」
アヤメの振った大鎌はフィアの膜のように薄い氷に止められ、近距離から氷魔法をくらいやられてしまった。
「ヤバイ、とりあえず退避」
「これで5対1になったね。それじゃあ、そろそろ本気出しちゃおっかな【白銀の世界】」
フィアが唱えた魔法でフィールド一面が雪や氷で真っ白になってしまった。
「みんな気をつけて!さっき説明したけど、この魔法は先輩の常套手段だから」
「分かってる。だから私もとっておきを出す!【影分身Ⅱ】【月狼王の加護】【影狼王の加護】」
「それじゃあ、私も作戦通り箒に乗ってと」
アヤメが殺られたため全員で陣形を組み直し、ルーンは分身と狼を連れ、シルクは箒に乗り、他の3人はシュウを先頭にエイルとアニが固まっていた。
「うわぁ、いきなり数多くなっちゃったよ。しょうがないなぁ【アイスホーミング】」
「くっ、危ない…やっぱり分身は攻撃範囲内に入る前までに全員潰されちゃうか…」
「次は私が氷魔法を当てる!【アイスランス】」
「はぁ、【アイスシールド】」
フィアはあきれたような顔をしてため息をつきながらシルクの攻撃をはじいてしまった。
「こんなにしょぼい氷魔法を使うなんて…本物の氷属性を見せてあげるよ!【ブリザードランス】」
「危ない!シルク!」
ルーンの叫びをむなしくシルクは避けるそぶりも見せることなくフィアの魔法を直撃でくらってしまった。




