クラン入会試験2
ルーンは2階のバルコニーからクランハウスの外を見てみると大勢のプレイヤーがいた。
(結構集まったなぁ。えっと、台本では…)
「まず、私たちのクラン【犯罪者の夜】集まってくれたことには感謝します。しかし、ここにいる約600人のプレイヤー全員を入会はさせません。掲示板の募集の通り今からクランメンバーと1分間の戦闘をしてもらいます!」
「「「うぉーーー!」」」
ルーンが出てきたとたん雄叫びのようにあがる歓声に他のクランメンバーは少しおどろいていた。
「ルーンちゃんって人気あるんだね」
「まぁ、ルーン先輩は容姿もいいですし戦闘スタイルもチートレベルの強さじゃなくてしっかり土台があるものだからね」
「ルーンは学校でも意外と女の子にも男の子にも人気はあるからね」
「へぇ、そうなのか。確かにルーンは人を惹き付けるなにかは持ってるもんね」
そんな話を4人が下でしているなかルーンは上でプレイヤーの目をひきつけていた。
「皆さんと戦闘するのは私を含めたトップ12の3人です!勝てたら無条件で入会決定!負けても健闘したら入会も認める場合もあるので頑張ってください!」
「おっしゃ、俺ここのクランで有名になるぞ!」
「あぁ、トップ12とやりあえるいいチャンスだしな」
ルーンがそう言うと大盛り上がりのプレイヤーたちがエイル、アニ、ルーンの3グループに分かれ、3人が同時に1人目のプレイヤーと決闘をスタートした。
ルーンの始めの対戦相手は見た目20代くらいのロングソードを持ったプレイヤーだった。
「じゃあ、カウントは3からスタートで一応私たちの戦闘は他のプレイヤーに見られますからね」
「はいはい、わかってるよ。あと、僕強すぎるからハンデで1分じゃなくて30秒でいいよ」
チャラついたように男がそう言っている内に3カウントが終了してもう1分間の針が動き始めていた。
「はぁ、別にハンデはいらないですしそれよりもう制限時間始まっちゃってますけど」
「それくらいなんでもないよ。それより俺がクランに入ったら…」
「【ファントムスラッシュ】」
「へ…?」
男が余裕ぶっているのにルーンはイラっとして男の背後をとり、男の首の部分を斬り落とした。
「はぁ、こんな感じでなめているプレイヤーはうちのクランにいらないから」
「早く次のプレイヤー来てよ。どんどん戦って品定めしていきたいから」
「や、ヤバい…このままじゃ俺たちあいつの二の舞だぞ」
「これよりやばい奴ら倒すとか無理だろ。俺もう抜ける。首だけにはなりたくない!」
ルーンの一瞬で相手の首を落とし、生首を拾い上げながら言ったこのセリフにルーンの担当の約200人のプレイヤーは全員入会試験を辞退し、のちにルーンはこのことで周りのプレイヤーから恐れられるのであった。




