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入会試験会議

そして時間は戻ってルーンがエイルにアニのことを話している現在に戻り、エイルは納得した表情をしていた。


「なるほど…そういうつながりで入ってくれたのか。なら、かなりの戦力になるね」


「はい、あと気づきました?今、話した【妖精の鱗粉】を使った薬は死神城での戦闘のときに私がシルクに使った【クラスアップ炎】なんですよ」


「へぇ、どおりで見当がつかなかった訳だ。小さな身内しか知らない薬屋を持ってるランカーがいたなんて」


「おじさんもほら、アニさんに挨拶して」

エイルが感心しているとアヤメに呼ばれ、今いるメンバーでは最後の自己紹介を始めた。


「えっと、僕はアニちゃんの一個上の前回イベント8位のエイルです。これから同じクランとして頑張っていこう」


「えっ、エイルってあのトップ8のエイルさんですか!ボク前からお店に行ってみたかったんですよ」


「そ、それはありがたいけどなんで今まで来なかったの?僕がいなくてもNPCがいたよね」


「いや、恥ずかしいんですけど、お店の場所が全然わからなくて…他のプレイヤーに聞いても迷子になっちゃうから行くの諦めてたんです…」

アニの衝撃発言に一同が絶句して固まってるなかアヤメが口火をきった。


「ルーン先輩、そろそろ入会試験の話をしませんか?」


「う、うんそうだね。一応もう街の掲示板に貼ってきたけどやるのは次の日曜日の9時から、内容は決闘モードでの1分間の入会希望者とクランメンバーの1対1の戦闘」

決闘モードとはお互いが了承したルールで専用のフィールドで戦うというシステムであり、その勝敗によって賞品を貰えたりローカルルールでトーナメントしたり、色々な楽しみ方があるシステムである。


「へぇ、クランってそんなこともするのか。それじゃあ、コネで入れたボクはラッキーだね」


「アニはコネじゃなくて実力だと思うけど…まぁ、でもたくさんの人と戦えるのは嬉しいよ」


「あっ、それなんだけど今回シルクとアヤメは他の私を含めた3人の戦闘を見学をしてもらうよ」


「えぇーー!なんで、私じゃすぐに負けるって言うの!」

シルクはルーンの胸ぐらを掴むとぐらぐら揺らして、ポカポカ軽く叩いた。


「先輩、確かにそういう意味なら私も納得しませんよ」


「2人とも落ち着いて。そういう意味じゃないから」


「はぁはぁ、じゃあどういう意味なの?」


「シルクは昨日見つけたその特殊なローブに箒、アヤメに至ってはほとんどのプレイヤーが知らないはず。そんな2人を入会試験で情報を漏らすより、トッププレイヤーのエイルさんとアニさんと私が対応するってこと」

ルーンの説明を聞いてシルクとアヤメは少し考えると、2人とま嬉しそうな顔をしていた。


「それって、私たちは切り札ってことだよね」


「ルーン先輩の言い分も確かに納得できます。そうですね、今回はルーン先輩の指示に従いますよ」


「じゃあ、僕たちも頑張らないとね。アニちゃん」


「はい、ボクの場合攻めなければ1分間は余裕で耐えられるから頑張るよ」

それぞれがそれぞれの役割りをこなすためにこれからこの一週間を過ごすこととなった。

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