妖精の薬屋
帰りはしっかりと道を記憶していたルーンが先導してモンスターと戦闘せず、約30分で森から出ることができた。
「ルーンがいて助かったよ。ボクじゃなくてもあそこの出入りが少ないプレイヤーは周りの風景が変わらないから迷うことも少なくはないからね」
「まぁ、記憶力には自信ありますから」
「他の人間としてのスキルもかなり高いけど」
「それじゃあ、2人ともボクの手を握ってくれ。あと5秒でお店までワープして行けるから」
ルーンとシルクはそれぞれアニの右手と左手を握ると、その瞬間目の前が街から棚に様々な形や色の小瓶がおかれているアニのお店になった。
「おぉ、すごい。これってなにかのスキルですか?」
「いや、これはただ自分の所有する建物に瞬間移動できる機能だよ。ボクはここで小さいけど薬屋をやってるんだ」
「じゃあ、探してた【妖精の鱗粉】もなにかの薬の材料になるんですか?」
「うん、そうだよ。作ってみたいものがあったからね。【妖精の鱗粉】は結構便利でいろんな薬に使えるし」
アニはそう言いながらカウンターのうしろに置いてあるチェストから何個か素材を手に取った。
「よし、これで作れる!2人とも店の奥に来て」
「は、はい。わかりました」
アニに言われるがままルーンとシルクは店の裏に行くとそこにはひときわ目を引く大釜が1つあり、周りはきちんと整頓されている感じで小瓶にラベルまで貼っていた。
「えっと、この大釜にまずは水を入れてその後にこれ全部入れて…【妖精の鱗粉】をサーと振りかけて混ぜると」
「あっ、透明だった水がどんどん赤くなっていく」
「もうそろそろかな。ルーン、うしろの戸棚にある丸い小瓶取ってもらえない」
「はい、わかりました」
ルーンはそう言って丸い形をしたフラスコのような小瓶をアニに渡すとアニは大釜の中身をそれですくいとった。
「よし、これで完成!ほらっ、これは今日のお礼ね」
「うわっ!おっと、今作ったばっかりなのにもらっちゃっていいんですか?【妖精の鱗粉】って結構希少だろうし…」
「問題ないよ。ボクはただいろんなもの作りたいだけだし、そもそもこのお店もゴールドを稼ぎたいって訳じゃなくて自分の空間がほしいって思って買ったから、ボクの顔なじみくらいしかお店にはいれないから」
「まぁ、いいじゃん。せっかくもらったものなんだし、受け取らないと失礼だよ」
シルクがそう言うとルーンはアニに頭を下げてあらためてお礼を言うと、それを自分のアイテムボックスに入れてそのあと少し話をしてアニとは解散した。




