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妖精が住む森

3人が入ったレインボーフォレストは2層の中でも最高レベル帯の地域であり、サービス開始当初はあまり情報もなかったが最近になり情報も多くなってきた地域であった。


「ここって、モンスターの平均レベルが50で強パーティーのレベル上げポイントですけど、なんの用があるんですか?もしかして新しいクエストとかですか?」


「いや、そういう訳じゃないよ。実はレアな素材が欲しいからここに来たんだよ。安心して、戦闘はせずに逃げまわってもいいから」


「そう言ってもらえるとありがたいですけど、何を探してるんですか?」


「【妖精の鱗粉】って素材だよ。ここにはレアイベントで妖精が現れるからそれを狙えばいいの。あと、ボク堅苦しい敬語はあんまり好きじゃないからフランクにいこうよ」

そう言われシルクはあっさりと敬語を止められたが、ルーンはどうしても年上相手に敬語を止められなかった。


「そのイベントってどんな条件で起こるものなの?」


「うーん、完全にランダムって言われてるし場所もこのフィールド内としか限定されてないから」


「じゃあ、歩き続けるってことですか?」


「うん、そうだね。だから逃げまわっててもかまわないってことだから。まぁ、ここは図体がデカイモンスターばっかりだから2人なら簡単だろうし」

そう言ってアニが先頭を歩きそのうしろをルーンと箒に乗ったシルクが並ぶというかたちで森の中を歩き始めた。


「それにしてもここのフィールドの木って他の森マップとは違ってかなり巨大ですよね」


「うん、だから見晴らしが少し良い分敵は見つけやすいけど厄介なやつが多いかな」


「じゃあ、見つけたらすぐにその場から離れれば問題ないってことだよね」


「いや、それがそういう訳でもないんだよなぁ」

アニがそう言うと3人の目の前にジャイアントオークが2体スポーンしてきた。


「ほら、こういう感じでモンスターがプレイヤーの前にスポーンする特殊なステージなんだよ」


「って、アニさんゆっくり説明してないで逃げますよ」


「まぁまぁ、ジャイアントオークはここでは一番弱いやつだから双方の実力確認ってことで1体ずつ倒すよ!」


「ちょっ、アニ弱いって言っても私たちよりは普通に強いんだけど…」

シルクの制止をアニは特に気にとめずジャイアントオークに持っている片手杖を向けた。


「ボクのオリジナル見せてあげる!【毒バラの棘】」


「エイルさんの束縛アイテムと似てるけど…」


「まだまだいくよ!【白の花園】【太陽の光線】」


「白い花畑に光属性の魔法も…」

アニは2人の目の前で自身の数倍もあるようなモンスターをあっさりと倒してしまった。

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