一瞬の出来事
シルクは時間に見合わない何とも言えないあっさりとした【スライム核】のゲットを不服に思いつつ、最後のアイテムを落とすクライゴーストがでる墓場に来ていた。
「はぁ、他のゲームでもあったけどこういうところ不気味なんだよなぁ」
シルクはお化け屋敷などは問題無いし、他のゲームでもこういうマップに来たことがあるので言動ほどビビってはなかった。
「ぐすっ…ぐすっ…」
「な、何?」
シルクはすすり泣く声が聞こえてきたことに驚きながらも、直ぐに泣き声の聞こえる方向にすすんでいった。
「いたっクライゴースト!」
「うぇーん、うぇーん」
シルクを認識したとたんさっきまでのすすり泣くような声ではなく赤ちゃんが泣くような声にかわった。
「うるさいなぁ【ライトボール】」
シルクの魔法でクライゴーストは光となって消えたが、次から次へとクライゴーストがシルクに向かってきた。
「えっえっどういうこと、うぐっ…」
「【ライトボール】【ライトボール】【ライトボール】」
物量におされつつも1匹1匹はそんなに強くないため、一撃で葬れるがやはりダメージは受けてしまう。
「【ライトボール】【ヒール】MPポーション」
「【ライトボール】【ライトボール】くっ…多すぎる」
シルクの魔法で対抗しても無限のように湧き続けるクライゴーストに苦戦をしいられていた。
「おー結構湧いてるねぇ、あれ倒さない?」
「あそこの人困ってるみたいだし私たちもクライゴーストを倒したいから好都合だから、手だしていいよ」
「おーしわかった私にまかせておけ」
「まぁ私も行くんだけど…」
シルクに群がっているクライゴーストを見ていた金髪と緑髪の2人組は一瞬でクライゴーストが群がっている場所に移動した。
「【真空斬】【雷斬撃】」
「【真空斬】【風斬撃】」
2人組は一瞬でクライゴーストの群れを全滅させるとさっさっといなくなってしまった。
「えっ…今…何が起こったの」
シルクは目の前でおきた一瞬の出来事に驚き、その場で固まってしまった。
「あっ、そうだ【幽霊の涙】はあるか…って15個もいらないんだけど」
シルクは我にかえりアイテムボックスを確認すると、15個の【幽霊の涙】と今日の朝見たような紫色の本があった。
「へぇーこんなドロップアイテムもあるのか。ルーンに良さそうだし、メッセージでおくってあげよう」
そう言って、シルクはさっそくルーンにメッセージと紫色の本を送り、1日中歩いていたことを思い出すとどっと疲れたため、今日はログアウトすることにした。




