5人目のクランメンバー
暴食の悪魔騒動から一晩明け、学校も終わり3層にあるクランハウスにメンバーの4人が集まった。
「それでルーン先輩、今日ここに集まったのってもう1人のメンバーを私たちに紹介するためでしょ。そのメンバーはどこですか?」
「いやぁー、なんか連絡が取れないんだよね。もしかしたら道に迷ってるのかも」
「確かにあの人は方向音痴だから道に迷ってるのはたぶん合ってると思うよ。そもそもここも分かりづらい場所にあるし見た目は特徴もない普通の家だから」
「連絡もつながらないならとりあえず待ってみるしかないし、最悪探せばいいんじゃない」
エイルの言っていることに一同は納得することしかできず、そこから1時間クランハウスで待った。
「遅い…遅いよあの人!連絡しても既読もつかないし」
「まぁまぁ、ルーン落ち着いて…これだけ待って来ないってことはやっぱり迷ってるんだよ」
「じゃあ、ルーン先輩が探しに行けばいいじゃないですか。シルク先輩も顔を知ってる間柄ならシルク先輩だけ残って万が一ここに来たらルーン先輩に連絡をいれるってことにすれば」
「しょうがない、そうしよう。それなら今から私は探しに行くから連絡よろしく」
ルーンがそう言ってドアを開けようとするとドアが外側から開けられ、ルーンの目の前には白髪の長い髪を下半身に届くまで伸ばし、草の冠を頭に身につけギリシャ神話の絵などでよく見るキトンを身に纏った女性が現れた。
「ごめん、ルーン遅くなっちゃって」
「うん、かなり遅かったですよ。それより1時間も道に迷ってたんですか?」
「そこは別に大丈夫ですよって返すところでしょ。まぁ、確かに1時間道に迷ってたのは事実だけどさ」
「はぁ、ルーンが回復役をメンバーに加えたって言ったときにアニってピンときたよ」
ルーンは3人で話をしていてエイルとアヤメが置き去りになっていたことに気がつきアニに自己紹介をさせた。
「えっと、はじめましてボクはアニって言います。えっと、あとは…あっ、回復系と自然属性の魔法が得意で一応第2回イベントは9位で二つ名は【妖精女王】です」
「私はアヤメです。同じクランのメンバーとしてこれからよろしくお願いします」
「うん、よろしくね。アヤメ」
アヤメとアニがそんなやり取りをしているなかエイルはルーンに疑問を問いかけた。
「ルーンちゃん、どうやってあの子と知り合ったの?自分で言うのもなんだけどランカーとはほとんど顔なじみだけどあの子だけは会うのは初めてなんだけど」
「いや、死神騒動の前日にシルクと一緒にレベル上げをしようとしたときに知り合ったんですよ」
ルーンはそう言ってアニと会った死神騒動の前日のことを話し始めた。




