アイテム探し
シルクはクエストの内容を見て内心ホッとしていた。その理由はいたって単純であり、指定のアイテムを持って行けばいいだけのクエストだったからだ。
「はぁ、しょっぱなから無理なものじゃなくてよかった」
「なんじゃ、簡単なら増やしてもいいが」
おばあさんが鋭い目でシルクを見て言ったことにシルクは気づいた。
「あっ、それは遠慮しときます。私はこれから行かなきゃなんでまたあとで」
足早にシルクはその場を立ち去ると、アイテムが手に入る場所に向かうことにした。
シルクは幸い集める必要がある5つのアイテムの内2つを持っていた。それが【月狼の洞窟】で狼が落とした【狼の牙】と、トレントからドロップした【霊木の木材】だった。
「とりあえずあとは【痺れ花】と、【スライムの核】、【幽霊の涙】の3つかぁ」
「【痺れ花】については簡単に見つかるけど10個必要で、【スライムの核】はスライムのレアドロップで【幽霊の涙】は夜に出現するクライゴーストのドロップアイテム…」
そうぶつぶつ言いながら、シルクはどうやってこれらのアイテムを集めるか考えていたらふと、話しかけられた。
「あれ、シルクちゃん何でこんなところに居るの?てか、大丈夫だった?」
「え、エイルさん何のことですか?」
「いや、奥の森でガイコツみたいなモンスターに会わなかったかってことだよ」
「会いましたよ。そして一瞬で殺られましたけど…あっあと、そこの小屋でクエストがあって…」
そう言って、シルクはさっき起こったことを全てエイルに話した。
「そのクエストなら知ってるけど、僕はこれから連れの安否を確認しに行くから…あっ【痺れ花】くらいならあげられるからあとでメッセージで送っておくよ」
「ありがとうございます。じゃあ明日お店に行くんでその時はよろしくお願いします」
「うん。じゃあ僕は急ぐから」
そう言ってエイルはルーンがきた方向に走り去って行ってしまった。
「あっという間だったな…そうだ、なんでエイルさんはあの森に行こうと、したのかな?」
シルクのなかに疑問が残るもとりあえずクエストに必要なアイテムを確保できたことは素直に嬉しかった。
それから数時間が経っただろうか、シルクは途方にくれていた。
「あーもうなんで【スライムの核】が落ちないんだよ。今ので何匹目だよ~」
シルクはスライムがよくでる平原に来ていたが、肝心の【スライムの核】がおちなかった。別に3%と、頑張ればドロップするアイテムであるがこの日のシルクは運が悪く、200匹以上を倒しているが1つもドロップしなかった。
「それにスライムはめちゃくちゃ弱いから経験値も少ないし…諦めてクライゴーストを狩りにいくか」
そう言ってシルクは平原をあとにしようとした時、1匹のスライムが前に出てきた。
「はぁ、【ライトボール】」
シルクが気だるげに放った魔法でスライムは跡形もなく消えた。
「ってあれ、【スライムの核】手に入った!あーもうなんでだよー」
シルクのアイテムボックスの中にはさっきまで入っていなかった目的のアイテムである【スライムの核】が入っていた。