表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
137/299

中の人会議5

死神の国にキラリスという新たな死神の女王が誕生したその夜、運営側にもそれは伝わっていた。


「あーあ、死神の国のクエスト一発でクリアされちゃいましたよ。せっかく大がかりなクエストを作ったのに」


「まぁまぁ、相手が悪かったよ。死神のクエストを受けたのがエイルと知り合いで第2回イベントでランカー相手に実質コンビで勝利したあの2人がいたんだから」

絹塚はクエストをクリアされぼやいている同期でプログラマーの田嶋をなだめていた。


「でも絹塚、かなりレベルの高いクエストにしたはずだったのになぁ。これならソロ指定すればよかった」


「そう落ち込まないでくださいよ。これから3層とプレイヤーには知らせていないアレの実装もあるんですから」


「そうだぞ。このFLOのプログラムリーダーであるお前がそんなへこんでたら周りもへこむぞー」

後悔してさらにへこんでいる田嶋をみて絹塚の部下である森田は同じように励まし、絹塚は軽くプレッシャーをかけるように言った。


「わかったって、愚痴るのはやめるからもう励ましたりするな。励まされるとなんか更にへこむ気がする。てか、なんでお前がここにきたんだよプロジェクトリーダーさん」


「いや、アレのプログラムは進んでるのかなぁって思って、あと2週間も無いからさ」


「それなら心配するな。見てみろよ。これがお前の望んだアレだよ」

田嶋がそう言って絹塚と森田にパソコンの画面を見せるとどちらとも驚いた表情をしていたが2人の驚いた表情のニュアンスは違っていた。


「うわぁ、結構こってるんですね。やっぱり多人数になるとこれくらいの大きさになるんですか」


「あぁ、そうだな。ゲームでは外見より遥かに中を広くできるのが良いし、デザインも結構こだわったんだ。どうだ絹塚、俺がここまでやるなんて驚いただろ」


「いや、驚いたよ。酷いときは他のゲームでメンテナンスの前日にやっとゲームに組み込める状態になるなんてこともあったお前がここまで成長したことに」


「うるせぇなぁ。まぁ、俺もここでリーダー任されたから率先して動いてるだけだよ」

森田は絹塚がタメ口で話しているところを見たことが無かったのでこの光景を少し新鮮に感じていた。


「それより良いのか?あのトップ8いや、トップ12にまたプレミアチケットあげて」


「田嶋も知ってたのか。確かにゲームバランスが崩壊するなんてこともあるかもしれないけどこれから開放される第3層、そしていずれ第4、5の層を追加されることを考えないプレイヤーなんていないだろ」


「あぁ、コワイコワイ。絹塚の未来を見ているようなその不思議な顔」


「要するにそれもプレミアチケットに入っているからそう前回みたいにそれぞれが取りたいものを取れないってことだよ。僕のお気に入りは迷わずそれを選ぶだろうけど」

絹塚の見ている未来が本物か偽物なのかそれはそのときがくるまで誰もわからないだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ