起死回生の一撃
ルーンの頭にフラッシュバックしたのはチート死神騒動のときアヤメに当てた【シャドウカッター】だった。
「アヤメ、今のって初めて会ったときの…」
「そうですよ。これは私とキラリスの契約の代償って言えばいいでしょうか?まぁ、これはスキルじゃないってのと確かなんですけど」
「ほぅ、人間との契約にかかる代償にこんな使い方があったとは、お前はこの人間の少女を守ることに必死だなキラリスよ」
「えぇ、そうですよ。お嬢様はそれくらいして守る価値のある私のパートナーなんですから!」
キラリスはそう言うとデストラウンドに持っている大鎌を投げつけたがそれは簡単に避けられてしまった。
「キラリス、血迷ったか?お前がこんな雑な攻撃をするほどに落ちたとはな」
「雑な攻撃?さすがに国王は私をなめすぎですよ」
「大鎌のないお前に何ができる!まずはじめにお前を殺してやるわ【黄泉へのいざない】」
キラリスのいる地面から無数の黒い手が伸び、足をつかまれるとキラリスはアヤメと目を合わせ合図をした。
「【死を司る神の大鎌】!」
アヤメがこのスキルを唱えるとキラリスは光りとなって消え、アヤメの持つ大鎌が紫のエフェクトを纏った。
「ルーンさん、キラリスの鎌を持ってきてください」
「うん、分かった【加速】」
アヤメの指示にルーンは即座に動き【加速】でさらにAGIを上げ、キラリスの鎌を持った。
「うわっ、何これ重いんだけど…」
「ふん、まずお前から殺ってやろう【デスカッター】」
「ルーンさん、危ない!」
「こっちは心配いらないよっ」
ルーンはデストラウンドの攻撃を避けることなくキラリスの大鎌をアヤメに向かって投げた。
「ルーン…さん?」
「私は一回だけなら条件つきで死ねるから心配しなくて大丈夫、アヤメやりたいことあるんでしょ」
「は、はい。ありがとうございます」
アヤメはルーンに礼を言うとキラリスの大鎌を拾い上げ大鎌の右手に持った。
「【死神の霊魂】【大鎌融合】」
「そ、それは…」
「そうですよ。あなたは分かってるでしょうけど死神は鎌が本体といっても過言じゃないほど鎌にはその死神の霊気が宿っています。それの鎌を私の【死神殺し】の鎌と合わせたら一体どんな威力になるんですかね」
「や、やめろ!こうなったら…ぐっ!」
アヤメに攻撃を仕掛けようとしたデストラウンドは自身に蔦が絡まり身動きがとれなくなっていることに気がついた。
「ごめんね、死神の王様さん。僕の姪っ子に傷がついたら姉さんに怒られるから」
「ふん、こんな子ども騙しの罠くらい一瞬で…」
「へへへ、残念でした。それはMPを秒間5ずつ消費するかわりにMPが尽きるまで解けないんだよねぇ。アヤメちゃん、あとは頼んだよ」
シルクはいたずらに笑いながらデストラウンドにわざわざ説明をしていた。
「ルーンさん、シルクさん、おじさん、ここまでお膳立てしてもらってありがとうございます」
「や、やめるんだ人間の小娘、話せば分かる。だから、なっ、その大鎌をおろしてくれ」
「話合いでキラリスの家族や死んでしまった死神たちはかえってきませんから【冥界の彼岸花】」
アヤメはデストラウンドの胴体を蔦ごと綺麗な断面で真っ二つにした。




