通る攻撃通らない攻撃
キラリスが飛び出したと同時にルーンも大鎌を構えデストラウンド向かっていった。
「「【首狩り鎌】!」」
「ふん、【テレポート】」
キラリスとアヤメの攻撃をデストラウンドは瞬間移動系のスキルで楽々かわした。
「チッ、逃した!おじさん、シルクさん頼みました!」
「了解!【トリプルランス】」
「分かった!【スピアースナイプ】」
「そんな人間の攻撃なんて効くわけないだろう」
ルーンとエイルの攻撃に至っては見えないバリアのようなものに弾かれてしまった。
「シルク、エイルさん、離れてください。たぶんダメージを与えられるのはアヤメとキラリスだけかも」
「わ、分かった。とりあえずさがるよ」
「まぁ、元々魔法使いは後衛職だしね」
シルクとエイルはルーンの言う通りにデストラウンドから更に距離をとった。
「ほぅ、そっちの人間はなかなか頭がきれるようだな。その通りだ、異種族は私にかすり傷1つつけることすらできないのだよ。まぁ、なぜか大鎌の人間はそうではないようだがな」
「私は死神の女王になるために色々なことしたんですよ。まぁ、主にPKと死神殺しですけど」
「面白い、ではお前は私に傷をつけることができる唯一の異種族ってことだな」
「でも、傷をつけることはできなくても毒で犯すことくらいならできるでしょっ」
デストラウンドがアヤメに注目している間にルーンは後ろにまわり斬撃をくわえた。
「なっ、!」
「残念ながら毒についても対策はしているんだよ」
「うぐっ…しょうがない、アイテム【閃光弾】」
ルーンは至近距離の【閃光弾】で目眩ましをしている間にシルクとエイルのもとに退避した。
「目眩ましとはこざかし…なっ!」
「作戦通り【血鎌】!」
ルーンの目眩ましに乗じてアヤメは一気に間合いをつめていたため、さすがにデストラウンドも回避できなかった。
「これでお主は私に初めて傷をつけた異種族になったがここまで距離をつめて反撃は承知の上だろうな!」
「やばっ、【カウン…ぐはっ!」
デストラウンドの攻撃に接近していたアヤメは回避行動をとれず、とっさの判断で受け止めようとスキルをだそうとするもデストラウンドの攻撃速度においつけなかった。その攻撃はHPとVITにステータスを振っていないアヤメにとって致命傷になる一撃だった。
「残念だったな、キラリス。お前がだいぶ信頼していた人間もかなり脆かったようだな」
「そんなわけ無いじゃないですか。よく見てください。お嬢様にあなたは傷1つつけられてませんよ」
「き、キラリス大丈夫だった?」
「はい、心配ありませんよ。国王はお嬢様が脆いことを分かってたので手加減してくれましたから」
致命傷を受けたはずのアヤメがピンピンしていることにシルクやエイル、それにデストラウンドも驚いていたがルーンには思い当たる節があった。




