殺気
シルクは森の中でトレントを狩り始めてから約1時間が経過して、森の中のある違和感に気づいた。
「そういえば森の中でプレイヤーと会ってない。こんだけいい狩り場なら絶対人は来るはずなのに…」
シルクは100体近くのトレントを狩って杖の材料となる数の木材は集まったし、経験値もたまって11レベルまで上がっていたため決して効率の悪い狩り場ではないし魔法使いにとってはいい場所だ。
「なんか静かすぎて不気味だなぁ。あと少し経ったら町に戻ろうかな」
そうの思いとは裏腹にMPは余っているし、ポーションもあるからという理由て森の奥に進んだ。
奥に進んでも何も変わらずやはりトレントがたくさんでるだけであり、さすがにシルクも飽きてきた。
「はぁ~さすがにこんな感じが続くなら帰ろっかなぁ…」
そう言った瞬間辺り一面が濃い霧に覆われ、シルクは1メートル先も見えない状態になった。
「い、いきなり霧に覆われるなんて情報攻略サイトには載って無かっ…うぐっ」
その時シルクは何かになぎはらわれるような感触を感じた瞬間、木に体を打ちつけられた。
(ヤバイHPの半分もってかれた)
「【ヒール】【ファイヤーボール】」
シルクは急いで体力を回復し、自分が飛ばされた正面に向かって【ファイヤーボール】を放つと、霧が払われ大きな木に顔がついているモンスターを見ることができた。
「トレントの上位種か、それともここのボスか、たぶん2番目の方かな」
幸いシルクのMPにはまだ余裕があるし、さっきの一撃での相手へのダメージを見ると倒せなくは無い敵であることがわかる。
「最初っからいくよー【ファイヤーランス】」
見事にシルクの魔法は命中して、相手のHPをそこそこに削った。
相手のモンスターも反撃するかのように腕のように発達した枝で攻撃してくるが大振りな攻撃をシルクは簡単に避けた。
「不意打ちで避けるのは無理だけどさすがに見えてたら当たらないよっと」
「【ファイヤーボール】【ファイヤーボール】」
シルクはクールタイムのある【ファイヤーランス】を使わず、連射できる【ファイヤーボール】を使うことにした。
「【ファイヤーボール】【ファイヤーボ】くっ…MP切れか」
MPが切れたことを確認するとすぐに相手の射程外に行き、ポーションを飲んでMPを回復した。
これを繰り返し、シルクは相手のHPの8割を削ることに成功した。
「よし、あとちょっと【ファイヤーボール】」
その時、相手がぼんやりと緑色にひかりだし、オーラを纏っているような状態になった。
「よくわからないけど…【ファイヤーボール】」
シルクが放った【ファイヤーボール】は、相手にしっかり当たって!いたが相手のHPには全く変化がなかった。
「火属性無効か…めんどくさいなぁ【ライトボール】」
シルクが放った光属性の魔法はしっかり相手のHPを削っていることが確認できたが、弱点である火属性ほどのダメージではなかった。
シルクは光属性の攻撃でさっきと同じことをやり、モンスターを倒すことができた。
「ふぅ、火属性無効は焦ったけど最後はなんかあっさりしてたな。ここら辺に誰もいなかったのはこいつが原因だったのかなぁ?」
そう思っていると、自分のアイテムボックスに見知らぬものが入ってることに気づいた。
「【霊木王の木材】か、たぶんこれはレアアイテムか、でもあの角とは違って確認されてるものらしいしなぁ」
そうぶつぶつ言いながら、帰ろうとすると目の前に大きな鎌をを持ったガイコツがいた。
「うわっ、今度はなん…ぐはっ」
シルクは目の前にいたガイコツに大きな鎌で切られた。気付かない内にやられたことと、一撃で自分のHPが全部持ってかれたことに気付きシルクは驚き、消えゆく視界の中でガイコツをにらんだ。




