決戦の前の前哨戦
国王にキラリスや4人の存在が伝わった直後、第3近衛兵団の死神を全て倒し終わった。
「ふぅ、とりあえず今いた近衛兵たちは全滅させたかな」
「うん、今回はアヤメが2体倒してくれたおかげでかなり楽に戦えたよ」
「いえ、私のおかげというよりこの大鎌のおかげですよ。それより、この城の多くの死神が一斉に動き始めました。私たちを早急に対処するために動いていると思います」
「じゃあ、見つかる前に玉座の間に行く?」
シルクのこの提案にルーンが考えていると、アヤメがその質問を返した。
「その場合だと玉座の間で王や近衛兵に手こずっている間に他の死神に数で圧倒されてしまいます。ここは散らばっている内に出来るだけ多く敵を倒していきましょう」
「ルーンちゃんはアヤメの意見どう思う?」
「私はアヤメの意見に賛成ですよ。死神の一撃は強力ですし、量でこられると私も避けられませんから」
「では、私とお嬢様で敵の位置を確認しながら進みましょう。近衛兵にも動きがありますからね」
このとき当初の計画には無かった動きになるものの、それを焦らず冷静に判断して即決できるアヤメのことをルーンはスゴいと感じていた。
多くの死神たちが城の中を動きまわっているなか、静かに歩みを進めている集団がいた。
「なんでバレないように進んでいるの?」
「1度見つかったら集まってくるだろうし、陣をとってない狭い場所で囲まれたくはないからふいうちを決めて短時間で一体ずつ倒していくんでしょ」
「なるほど…じゃあルーンとアヤメがメインアタッカーかになるのかな」
「いや、そんなことないよシルクちゃん。僕たちも遠距離からアシストしていくんだよ」
そんな話をしながら進んでいると2体の死神が廊下の曲がり角から現れた。
「行きますよ、キラリス、ルーンさん!」
「了解ですお嬢様!」
「言われなくても!【シャドウカッター】」
「僕たちもアシストするよ【パラライズスナイプ】」
「は、はい!【シャイニングサン】」
エイルが麻痺で足止めし、シルクが魔法で目眩ましをして隙を作り、ルーン、アヤメ、キラリスが死神に直接攻撃をしかけた。
「【首狩り鎌】!」
「【死神式大鎌術:彼岸花】」
「ナイスアヤメ、キラリス。私たちのアシストがいらないくらいの威力で倒しちゃうじゃん」
「そんなこと言ってられませんよ。ここに向かって死神たちが集まってきます。これはバレちゃいましたね」
アヤメは少し暗いトーンで話すも、身体は大鎌を強く握りしめ戦闘態勢に入っていた。
「ここまできたら城の中の兵を全滅させるのもアリじゃないかなアヤメ」
「はい、そうですね。まぁ、そうすれば王と一騎討ちが出来るんで私としては万々歳ですよ」
「じゃあ、私もここで新しい魔法をお試しがてら使っちゃおっかな」
「まぁ、全滅はともかく今は一体でも少なくなる方が良いし、アイテムもあまりがあるから多少は無理しても大丈夫だよ」
この緊迫するはずの雰囲気で会話をしている4人を見てキラリスはこの人たちを選んで良かったと思ったがそれは口に出さないでおいた。




