表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
122/299

キラリスの出生

4人はキラリスが戦闘をしているはずの3階にある大食堂の大きな扉を開けた。


「キラリス!こっちは終わったから手伝いに…」


「どうしたの?もしかしてキラリスが負けたとか…っ!」

大食堂にはキラリスでも近衛兵の死神でもなく、黒く長い髪を肩にかけている白く透き通るような肌が特徴的な大鎌を持った女性がいた。


「あ、あなたは?」


「お嬢様、こちらは私が片付けておいたのでご心配にはおよびませんよ」


「お、お嬢様ってもしかして…」


「あぁ、こっちの姿で会うのは初めてですね。私はキラリスですよ。こっちの姿の方が力を十二分に出せるのですが体力消費が激しいので普段は死神の姿なんです」

キラリスと名乗る女性はニコッと笑うと黒いオーラを全身に纏うといつもの死神に戻った。


「あっ、いつものキラリスだ」


「私のように異種族の姿になり力を発揮するなんてことは案外珍しくはありませんよ。私の場合、お父様からおそわりましたから」


「キラリスのお父さんって…」


「はい、そういえばエイル様には話すと約束しましたし、このタイミングで話しておいた方がいいですね」

キラリスはそう言うと大食堂の入口の鍵を閉め、邪魔が入ってこないようにして話し始めた。


「私の生まれた家は裕福ないわゆる貴族の家で父は曽祖父の代から続いている王の政治的分野においての右腕として大臣をしていました」


「へぇ、なんとなく分かってたけどやっぱり良い家の生まれだったんだね」


「はい、裕福な家とあってなに不自由なく父や母、姉に弟と楽しく暮らしていましたが、前国王の死に退位し現国王デストラウンドが王位についたとたんこの国の雰囲気と私の人生は変わってしまいました」

キラリスの悲しそうな雰囲気になんとなくルーンは予想がついてしまっていた。


「まず、現国王は前国王の葬儀が終わったあと前国王の側近をほとんどを処刑しました。もちろん私の父も含まれていて父は人間の姿になれるので人間に寝返った裏切り者だったからなんてむちゃくちゃな理由で殺されました」


「それでキラリスはアヤメに助けを求めたの?」


「いえ、その時点で王に反逆はしようとは思ってませんでした。そのときは父が裏切り者だと信じられなくてどうしても真実を知りたかったので知り合いに頼んで内部調査をしてもらっていました」

キラリスの声がどんどんと暗くなるにつれ、少しずつ周りの空気も重くなっていた。


「それがあるとき内部調査を知られてしまい協力してくれた知り合いとそれを指示したとして私が捕らえられてしまいました」


「で、でもここにいるってことは処刑はまぬがれたんだよね?」


「まぬがれたのではなく私の場合脱獄したんです。しかし、私が脱獄したことにより家族全員が脱獄翌日には処刑されてしまいました。だから、私は人間界に行きお嬢様に共に現国王を倒すために手伝だってもらったんです」

なんとも言えない空気が4人と1体の死神のあいだを流れていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ