5人パーティー
ルーンとシルクが参戦し、少し経つと4人は一体二体と死神を倒していった。
「ふぅ、とりあえずここにいた三体の死神は倒せたので一段落ですがなんで戦闘してたんですか?もしかして、確定で戦闘するイベントでもあったんですか?」
「いや…別にそういうわけじゃなくて…」
「さっきたくさん死神がいたからつい手を出したらそのたくさんの死神が襲ってきてしまって…」
「つまり完全に警戒されて攻撃的になっちゃったってことか。って、女王になる予定の人が部下候補の死神を殺しちゃうって大問題でしょ」
ルーンの厳しい指摘にアヤメはぐうの音も出ずなにも反論できなかった。
「まぁまぁ、その事は後々考えるとして4人集まったことだしこれからどうするか決めようか」
「それに関しては私から説明させていただきます」
「じゃあ、ここからはキラリスにまかせるよ」
「まずはここじゃ他の死神に見つかる可能性があるので、集合場所にしていた物置部屋に行きましょう」
キラリスの提案に全員賛成し、すぐ近くの物置部屋に入りそこで作戦の説明を受けることにした。
「まず、私たちがこれから目指すのは玉座の間です。もちろん、そこで現死神王と戦闘をしなければなりません」
「うん、それは当然。そのために私はこのゲームで戦っているから」
「はい、それではここから玉座の間までのルートの話なんですが…今何時でしょうか?」
「えっ、今はあと2、3分で2時になるけど」
エイルの言葉にキラリスは少し考えているような表情をすると次のように口を開いた。
「まず、下で行われる処刑が2時に終わります。それまで現王様下に多くの護衛と処刑を見ているため今玉座の間に行っても誰もいません」
「それなら待ちぶせすればいいんじゃない?」
「それは出来なくはないですがその前に警備をしている大勢の死神を倒さなければいけませんし、その状態で王の近衛兵と戦うのはかなり勝ち目は薄いと思いますよ」
「じゃあ、どうすれば…」
キラリスが言うことを全員が飲み込み、その絶望的な状況をどうすれば良いのかをこれまた全員で考えようとしていたが、それはキラリスがあっさり出してくれた。
「それは簡単です。あちらも数というならこっちも圧倒的な数、そして質で勝負です」
「それってどういうこと?」
「近衛兵は4体で1グループとなり王を守ります。それが計4グループあります。なら、そのグループを一つ一つ壊していけば良いということです」
「えっ、でも1グループずつと戦闘していったとしても4対5でこっちが1人多いだけなんじゃ…」
ルーンはどう考えてもキラリスが言う作戦にはこっちの戦力が足りないと思うが、アヤメにはその作戦の意図が伝わっていた。
「ルーンさん、この作戦なら普通にできますよ。だって、キラリスは普通の死神なら5体同時まで簡単に勝つことができるくらい強いんですから」
「そうですね。お嬢様の言う通り私が近衛兵の死神を3体同時に相手をするので皆さんは残りの一体を4人で倒し…それを一体ずつやっていきましょう」
「いくらキラリスが強いからってそれはキラリスにかなりの負担がかかるんじゃないの?」
「問題ありません。この国の中なら私はポーションなどで回復できますし、もし倒されても4時間経てば復活しますから」
「な、ならいいんだけど…」
「私もこの国を変えたいって思っていますから。お嬢様やお三方を巻き込んだ以上私ができること全てやらなければなりませんから」
キラリスの覚悟を垣間見た一同だったがエイルはふと頭の中にキラリスの過去について聞いていなかったことを思い出したが今聞くべきではないと判断し、この場で聞くことはなかった。




