死神の試練
あたふたしているアヤメを見ながら他の2人が笑っていると、ルーンは重要なことを思い出した。
「あっ、そういえばアヤメがクエストを理由にPKをして死神を倒してたのは分かったんだけど、そのクエストになんでそんな執着してるの?普通ならスルーしてもいいはずだよね?」
「それに関しては話すと長くなるけど…いい?」
「話してくれるなら僕は長くても全然いいよ。それにアヤメの両親も心配だろうし、秘密にしてほしいならそうするからここで言ってくれると僕も助かるよ」
「別にパパとママに言ってもいいけど…まぁ、どうせ言っても信じないだろうし秘密にする必要もないよ」
アヤメはそんなことは関係ないという感じの顔で今まで通り抑揚のない声で理由をしゃべり始めた。
「まず、おじさんと最初に戦った死神を私が倒したって話はウソだよ」
「えっ、でもなんでそんなことを?」
「それは私がその死神に最後の一撃を与えようとした瞬間にその死神が私の頭の中にうったえかけてきたから」
「ど、どういうこと?アヤメちゃんは戦ってる死神の声が頭の中に聞こえたっていうの!」
アヤメは特に強調して言ってなかったが聞いていた3人(特にシルク)は驚いていた。
「そのままの意味だよ。頭のなかでその死神が言ってきたのよ。死神の世界を救ってくれって」
「死神の…世界?」
「なんでも、死神しかいない死神の国ってところがあってこの世にいる死神は全員そこの出身らしいんだよ」
「死神に出身とかあるんだ…」
アヤメの口から次々と色々と聞いたことがない単語が飛び出しているのをなんとか解釈して3人は話を聞いていた。
「それで、そこを支配している王様が代替わり息子が王の座についた瞬間が悲劇の始まりだったんだって」
「死神の王様とかなんかヤバそうだね」
「度重なる悪政や横暴な税収にそれを受け入れなかった庶民死神の大量処刑、他にも色々と大変らしくてね」
「いや、死神の世界に税の概念があることに驚きだよ」
アヤメは普通に話しているが死神にも昔の人間ような制度で動いていたことを知り、聞いている3人はもはや感心の域に到達していた。
「それで私が死神の女王になって楽しかった生活を取り戻してほしいって話だよ」
「えっ、それってどういう…」
「つまり、私がこのクエストを受けているのは人が死神になる試験みたいなものってこと。多くの人を殺し、本物の死神より強いということを証明するためにね」
「じゃあ、あのつれていた死神はなんなの?」
ルーンがチート死神作戦の囮に使ってた死神について聞くと、アヤメは思い出したようにそのことを話始めた。
「あっ、キラリスのことね。私に死神になることを持ちかけてきたのがキラリスだよ。ちょっと待って、ここで出して紹介してあげようか?」
「いや、いいよ。ここで死神なんて出したら見られてたときに大ニュースになっちゃうよ」
「そう?ならいいけど、これが私が死神の試練を受けるきっかけだよ」
「う、うん…まぁ聞きたいことは山ほどあったけど大体理解できたし、別にいいかな」
ルーンは顔を少しひきつっていたものの、頭の中でほとんど理解できていたのでこのあとどうするのかを考えてみることにした。




