死神とクエスト
それから少しエイルとアヤメで家のことなどを話し、ある程度決着がついたところで例のチート死神の件について話すことにした。
「で、なんでアヤメさんはむやみやたらにプレイヤーを倒してたんですか?」
「あのさぁ、敬語とさん付けやめてくれない。なんか、先生と話してる感じがするんだけど」
「あぁ、ごめん。じゃあ、アヤメって呼ばせてもらうよ。それでなんでPKをやってたの?単純に1000人斬りをやってみたいと思うタイプじゃなさそうだし」
「どうしてだと思います?まぁ、なんか知らないけどあなたはそういうの見透かしてそうだし」
「えっ、ルーン理由にもう検討がついてるの!」
アヤメはルーンの聞き方に違和感を感じてかまをかけると、ルーンは少し自信があるような顔をしていた。
「うん、まぁ、なんとなくだけど死神をあなたが初めて倒したときにでも発生したクエストじゃないのかなって思ったんだけどあってるかな?」
「はい、あってますよ。クエストですけど時間制限付きで期限は100日、内容は…」
「プレイヤーを1000人キルするって内容なんじゃないのかな」
「おじさんの言ったことは半分当たりです。もう半分は死神の100体討伐、今のところ97体討伐しています」
アヤメのその一言にシルクとエイルは驚いていたがルーンはあることに合点がいったという顔をしていた。
「シルク、何か思い出さない?アヤメが死神を倒していて起きた影響について」
「えっと…あっ、そういうことか。普通の死神がサービス開始当初と比べて目撃が少なかったのって…」
「多分それは私のせいですね。死神がどこに出現するか分かるスキル【死神界の歪み】で先回りしていますから」
「えぇ、そんなスキルがあるの…ってかアヤメちゃんは死神をそんなぽんぽん倒せるようなステータスしてるの!」
ルーンも気になっていたことをシルクが単刀直入に聞いてくれることは嬉しいがさすがにそれは教えてくれないだろうと諦めていたことだった。
「まぁ、私のレベルは68だしMPに少し振っただけであとはSTRとAGIに全振りしてますから」
「えっ、レベル68って…私とシルクはレベル35だし、エイルさんのレベルって大体どれくらいですか」
「僕のレベルは76だよ。トップ8でレベル最低は僕で他はレベル80以上だけど、レベル68って無名のプレイヤーの中だとかなり高いよ」
「へぇ、だからイベントであんなに強かったんですね。このゲームレベル差がかなり大きいですからね。それにしてもそれでリリスを倒したルーンっていったい…」
シルクが顔をひきつりながらルーンの強さを再確認していると、アヤメは首をかしげていた。
「あの…盛り上がってるところ悪いんですけどトップ8とかイベントとかなんですか?」
「えっ、イベントだよ。ほら、春休みとかゴールデンウィークの終わりにやってたやつ」
「トップ8っていうのはこのゲームの現状のランキングの上から8人のこと。エイルさんもそれに入ってるんだけど…もしかして知らなかった?」
「いや、知らなかったわけないですよ!そうですよね、あれですよあれ、なんか…ほら、スゴいやつ」
アヤメは見栄をはっているのか説明しているつもりらしいが、知らなかった最初に質問している時点で他の3人にはバレバレだった。




