表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
102/299

PKP

2層の町の中に死に戻ったある2人組の男は町の中で仕度を済ませ、畏怖の森の出入り口に行こうとしていた。


「ふぅ、なんだったんだ。あの死神は」


「あれだろ。噂に聞くチート死神だよ。不意を突こうと思ったら一瞬だったな」


「そうだったなぁ…ん?」


「どうしたの?」

2人組の男の内1人はすれ違った少女のある違和感に気づいたが 周りは特に気にしているようになかった。


「いや、今すれ違った女の子の装備が初期装備だったから驚いてさ」


「まぁ、2層で初期装備は珍しいな。でも、レベル高い友達と2層に来た初心者だったんだろ」


「そうだな、それよりも死神を倒すことを考えようぜ」


「お前ら死神倒しに行くのか?残念だったな」

死神を倒しに行こうとした2人組の男に1人のプレイヤーが話しかけてきた。


「残念だったってどういう意味だ?」


「死神は消えちまったらしいぞ」


「そ、それどこからの情報だ」


「俺もさっき畏怖の森から出てきた。初期装備の女の子に聞いたんだよ。そういえばなんであの女の子は初期装備で森から出てきたんだろ」


「それって、さっきの子か」


「まぁ、忠告しておいたからな。死神が本当にいなくなったのかは分からんけどな」

そう言って2人に話しかけてきたプレイヤーは2人が来た方向に歩いていった。






アヤメはルーンと別れてからルーンが森を出るのを確認して、少し間をあけて森から出てきた。


「わざわざ、森から出るときに初期装備になるのはめんどくさいけどバレたから雰囲気変えるためにこうしないと」

アヤメは普段から自分の正体がバレたときのために町の中では初期装備に投げナイフをしまうポーチだけという見た目で行動していた。


「とりあえずいつも通り他のプレイヤーに死神が消えたって噂をながしとこう」


「あのぅすいません、なんか死神が畏怖の森から消えたって聞いたんですけど…」


「マジか、それはどこで…あれ、今の子は?」

アヤメは話しかけた男が一瞬目を離した隙に視界にうつらないように逃げた。


「はぁ、いくら他のプレイヤーにあまり接触しちゃいけないって言われたからそうするけどなんかつらいなぁ」


「でも、目的の1つ目だった1000人のプレイヤーをキルフィールド内でキルするは達成したし」


「そのついでに二つ名っていう称号みたいなものも手に入れられたけど【PKP】ってなんだろう?」

アヤメは気づいていなかったが短期間でかなりのプレイヤーをキルしたことで手に入るプレイヤー·キル·プレイヤーという二つ名の略称だった。


「まぁいいか。とりあえず、二つ名持ってなかったしセットしておこうかな」


「って、おじさんからまたメッセージきてるじゃん。あわわ、どうしよう…」


「今まですぐに達成しないといけなかったから会えなかったし、緊張してメッセージも返せなかったしなぁ」

今まで冷静を装っていたアヤメからは想像できないようなデレデレ具合だったが周りは少しひきぎみだった。


「どうしようかな。メッセージ返そうかな。でも、今までなんで返さなかったんだっていわれそうだけど…」


「今から会えないかなんて今まで言われてなかったしなぁ。とりあえず、久しぶりに会ってみよう!」

アヤメは覚悟を決めたような顔でメッセージをうち、おかしいところが無いか3回確認してメッセージを送った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ