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題『コンビニ強盗』

作者: 花街ナズナ

ボケはレジに立っている体で、頭を下げながら。

ボケ「いらっしゃいませー。ありがとうございましたー」

そこに、包丁を持ったツッコミが走り込んできて。

ツッコミ「強盗だ! 金を出せっ!!」

ボケ「申し訳ありません、お客様。現金のお引き出しはそこの右にございますATMでお願いいたします」

ここで二人、見つめ合ってしばらく沈黙したまま見つめ合い、それから。

ツッコミ「違うよ! 別に金おろしに来たわけじゃねえよっ! 言ってんだろ!? 強盗だよっっ!!」

ボケ「あー、はいはい。ゴトウ様ですね。ご注文品のお受け取りですか?」

ツッコミ「だから違うっつってんだろ! 俺は強盗だよっ! 強盗っっ!!」

ボケ「あー、大変申し訳ありませんでした。ゴトウ様ではなく、ゴウトウ様ですね」

ツッコミ「ん……なんかいまいちちゃんと伝わってねえ気がするけど……そうだよ! 強盗だよっっ!!」

ボケ「では少々お待ちください。あ、ご注文品のお受け取り番号はお持ちですか?」

ここで二人沈黙して、ツッコミが首をかしげてしばらくしてから。

ツッコミ「バカ野郎! 名前じゃねえよゴウトウってのはっ!」

これを聞いて、ボケは(はっ!)として驚いた様子を見せ、頭を下げながら。

ボケ「これは大変失礼いたしました。お受け取り番号が510ということですね。では少々お待ちください」

ツッコミ「だ・か・ら・そうじゃねえっつってんだろが! そもそも、どう見たらこのカッコウ見て注文した品物お受け取りに来た人間に見えんだよっっ!!」

言って、ツッコミは手に持った包丁を突き出して見せる。と、またボケは驚いた様子で頭を下げて。

ボケ「これは重ね重ね申し訳ありませんでした。宅配便のお申しつけですね?」

ツッコミ「違う違う違う! 何でそうなるんだよっ! ほらこの包丁、見ろ包丁ほらっっ!!」

言って突き出してくる包丁をボケは受け取ろうとしながら宅配便の用紙を取り出して。

ボケ「ではお荷物、お預かりしてサイズと重さを測りますので、その間にこちらの用紙へお客様とお届け先様のお名前と住所をご記入お願いいたします」

ツッコミ「だから違うんだよっ! ていうかこんな危なっかしいもの包みもしないで宅配便頼みに来るやつなんていねえだろうがっ!!」

ボケ「そうですね。せめて新聞紙か何かでお包みしてから梱包したほうが良いと思いますので、ちょっとこちらでお包みいたしますね」

言いながら、さらにボケは新聞紙を取り出して包丁を包もうとしつつ。

ボケ「あ、段ボールもこちらでご用意いたしますので、どうぞ用紙にご記入を……」

ツッコミ「だから違うって何回言わせんだよ! 俺は強盗なのっ! ゴ・ウ・ト・ウ!!」

体をブンブン振りながらそう言うツッコミに、またしてもボケは驚いた様子で頭を深々と下げて。

ボケ「これは大変申し訳ございませんでした」

それを聞いてツッコミは息切れしながら。

ツッコミ「ああ……やっと分かってくれたか……」

ボケ「アルバイトの面接の方だったんですね。オーナーはもう少ししたら店に来ますので、どうぞ店の奥でお待ちください」

言われて、ツッコミは膝から崩れてその場にへたりこむ。


   終了

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