第二十四話 火女神のダンジョン 前編
翌日、二人はあるダンジョンに来ていた。
それは火女神が作ったダンジョンだ。
火女神は破壊神イーヴァよりも一つ下の準最上級神にあたる神で、炎の神や熱の神などの『火』の属性神達の主神でもある。
つまり、ダンジョンも火に関係したダンジョンとなっている。
「燃え盛っていますね」
「それが火女神様ですから」
そこには炎が燃え盛る城だった。
宝神塔の様に高く広がっている訳ではなく、五、六階建ての横に広い西洋の城だ。
二人は歩き、入り口だと思われる火の扉を開ける。
その先は千度を超える暑さに何処を触っても熱い壁が広がっていた。
「これが『灼熱地獄』ですか」
「ハブの能力によって暑さはどうにかなりましたね」
この火女神のダンジョンは通称『灼熱地獄』と呼ばれていた。
それは文字通り灼熱に燃えるダンジョンで、まずは入り口の暑さを耐えられるかという事になり、奥に行く程に気温が上がる。
そして、二人が今平気なのはハブの竜化の一つ、氷竜の能力で自分の周りだけ気温を下げている。
一つ付け加えると、二人は上級神と準上級神の為、暑さを耐える体となっているのだが、それは最初だけで、奥に行く程耐えられるとは限らないので発動している。
そのままダンジョン内を歩いていると、魔物が現れた。
・マグマスライム
スライム系の魔物で、体がマグマで出来ている。マグマという体質とスライム系という事で、物理耐性が付いている。魔法もある程度はマグマの熱量で燃えてしまう。
「マグマスライムですか」
「でも、火女神様のマグマスライムという事は……」
「はい。もしかすると、準下級神レベルはありそうですね」
通常のマグマスライムは人間でも達人レベルなら勝てるだろうけど、此処にいるマグマスライムは神へと通用するレベルとなっている。
マグマスライムはヌルヌルと動き、二人に迫る。
「どう対処しましょうか?」
「とりあえず避けましょう」
此処のマグマスライムには二人が殴った所で手は焼けてしまうし、ダメージもそこまで与えられない程に物理耐性が通常のマグマスライムよりも上がっている。
だから、二人は左右に避けた。
「僕は龍人化するから、ミーナは死霊力を解放しておいてくれますか?」
「分かりましたわ」
二人はこのダンジョンを攻略する為に少し本気を出す。
ハブは龍人化し、ミーサは死霊力を六十%まで解放した。
・『龍人化』
竜化、龍化の上位版。人型状態で竜化、龍化の能力を使う事が出来て、更に人型という事で速度面も高くなっている。
ハブの体に龍の鱗が所々に浮かび上がり、手や足の爪が伸びる。
ミーナは死霊力を解放され、死霊力のオーラが爆発する。
その間にマグマスライムは体勢を(スライムだからどの状態なのか分からないが)整える。
「私がマグマスライムの熱を抑えます。その間に攻撃を」
「分かりましたわ」
ハブの体の鱗が突然白くなる
そして、ハブが地面に触り、発動する。
『氷結』
『寒冷円』
最初にマグマスライムを逃さない様に『氷結』で凍らせ、『寒冷円』でマグマスライムの熱を抑える。
そそにマグマスライムの熱が下がっている事に気づいたミーナがマグマスライムに向かう。
『血拳・爆発』
事前に指を切り、血を出していたミーナは拳に血と死霊力を纏わせた状態で凍っているマグマスライムを殴った。
殴らせたマグマスライムは一度殴られた衝撃で変形した所を再生しようとしたら、死霊力で強化された血によって爆発し、飛び散った。
「血の無い相手は大変ですね」
「しかし、私達の連携と攻撃には勝てないと思いますよ」
ミーナはこう言っているが、マグマスライム相手には一人でも勝てる。
今回はこのダンジョンの初戦闘という事で、二人で戦った。
「それにしても、『神々の庭』のダンジョンってドロップアイテムがありませんよね?」
「此処にあるダンジョンは力試しのダンジョンだからだと思います。ドロップアイテムを求めて挑んでも、実力が上がらないという事でしょう」
マグマスライムを倒したが、ドロップアイテムは出てこなかった。
それはハブが言う様に此処にあるダンジョンが力試しのダンジョンだからである。
二人は火女神のダンジョンを進む。
今回、出てきた火女神の名前については伏せさせて貰います。
次話は火女神のダンジョンの後編になります。
内容はダンジョン内を二人で攻略する訳ですけど、宝神塔とは戦闘面で時間かかると思われるので、結構省く予定です。
あとは二人がこのダンジョンをクリア出来るのかという事になります。




