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龍と吸血鬼の異種族夫婦は最強  作者: 龍血
第一章 宝神塔
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第十一話 三十階層ボス リッチ

 

 二人は門に入る。


 三十階層

 二十一階層から二十九階層までアンデット系の魔物だからボスもアンデット系だろうと予想がつく。


 まぁ、それは的中するのだが…。


 ・リッチ

 別名不死王(ノーライフ・キング)。アンデット系の上位種に値し、『再生』を持つ。不死王(ノーライフ・キング)を名乗る事もあり、アンデット系の下位種を召喚可能とする。

 そして、魔法使いでもあり、闇魔法を得意する。


 リッチはもしかすると普通の吸血鬼を上回る。

 リッチと吸血鬼の違いはリッチが集団戦に強いのに対し、吸血鬼は単体戦に強い。

 まぁ、吸血鬼が集まれば、リッチを上回る。しかし、リッチ一体と吸血鬼一体で言えば、リッチが勝つ。

 それもそうだろう。リッチはアンデット系の下位種を召喚出来るのだから。

 アンデット系の下位種を前衛もしくは盾として使って、リッチはその間に闇魔法を詠唱すれば良いのだから。


 二人はボス部屋に入り、声が聞こえた。


「おぉ、この階層にも来る者が居るとは。長年、此処に居ますが、初めてですよ。さぁ、この私に力を見せて下さい」


 声の主はリッチ。

 その体はローブで隠れており、顔もローブに付いたフードで隠れている。

 魔物でも上位種ともあれば、話す事は可能。

 そもそもハブとミーナも一応は魔物。

 二人にとってそれ程不思議な事ではない。


「ミーナ、お願いします」

「りょ〜かい。同じアンデットとして負けませんよ」


 今回はミーナ。

 同じアンデット系として気合充分だ。

 さて、ミーナにとってリッチは楽しめる相手だろうか。


「貴女一人で良いのですか?一応、ボス戦ですよ」


 ミーナだけが来たので、不思議に思うリッチ。


「えぇ、問題ありません。とりあえず、一人で相手して厳しくなったら、協力して貰いますから」


 ミーナは余裕綽々に答える。


「そうですか。それなら、始めましょう」


 そう言ったリッチは召喚魔法を使い、アンデット系の下位種を召喚する。

 その下位種が一体、二体と増えていく。


 恐るべき事にリッチは召喚魔法を行使しながら、闇魔法を詠唱している。


『死、それは正に無と同じ。しかし、不死者とっては生と変わらない』


 リッチが詠唱中、ミーナは歩く。

 ミーナがリッチの元に歩いている間、接近する下位種を腕を振って葬っていく。


『それは下位種であろうと同じ。怨嗟の塊である我らであろうと生の権利がある存在だ。これは我らの願いだ』


 そして、リッチの闇魔法、詳しくはアンデット系が使う不死魔法を発動する。


死生(デッドライフ)領域(・フィールド)


 ・死生(デッドライフ)領域(・フィールド)

 アンデット系が使う魔法、不死魔法の一つ。アンデット系の下位種は粉々になれば戻る事は無いが、この領域内であれば戻る事が可能になる。

 これの魔法はアンデット系の下位種の願いを形にした不死王(ノーライフ・キング)の魔法となっている。


死生(デッドライフ)領域(・フィールド)』によってミーナに倒されたアンデット系の下位種は元の状態に戻る。


「これで倒されても意味がありませんね」


 これが意外と厳しかったりする。

 通常、アンデット系の下位種は粉々にすればそれ以降元に戻らない。つまりはリッチが闇魔法を詠唱する時間を稼げない。

 だが、『死生(デッドライフ)領域(・フィールド)』によってアンデット系の上位種が持つ『再生』と同じような事が出来るようになる。

 粉々状態というのは肉体の死という事で、『再生』が無い限り元に戻る事は無い。


 これを対処するにはアンデット系の苦手な『光』だけ。

 この『光』によって灰になったアンデットは魂の消失し、『死生(デッドライフ)領域(・フィールド)』であろうと、そこには魂が無いので元に戻る事は無い。


 ただ、対処する方法がこれだけという事も無い。


 ミーナは自分の腕に付いたゾンビやグールの(体に付いた)血を使い、能力を発動する。


『操血糸』


 ・操血糸

 血を糸のように細くする。大きさも決められて、自由に操作する。


 ゾンビやグールの血を糸に変え、操作する。

 その血糸は原子レベルまで細くなっている。

 リッチによって召喚されたアンデット系の下位種は骨、細胞、原子へと血糸を通す。


 その光景には血糸が見えないので、何も起こってはいないように見える。

 しかし、血糸を通されたアンデット系の下位種は動けないでいる。


「なるほど。死なないなら動かなくすれば良いと考えたのですね。これではあと私だけになってしまいますか」

「ある意味、厄介でしたわよ。下位種であろうと、壁にはなりますわ。でも、これで終わりですか?」

「いえ、これからですよ」


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