第零話 異種族夫婦
三作目です。
作者名の龍血(龍と吸血鬼)に合わせた作品となります。
この作品は週一投稿(後日変わる予定もある)しようと思います。
空に大きな龍とそれに乗った女性が居た。
「次はどこに行きますぅ」
女性が話し出す。
女性の名はミーナ。
その特徴は明らかに長過ぎないかという程に龍の背中まで伸びた漆黒の髪に、白い服の上に漆黒の丈の長い服を着て、漆黒の短いスカートを履き、全体的に黒い服装になっている。どう見たってエロい格好に見えるのである。
その正体は吸血鬼。夜を支配する夜の女王と呼ばれている(誰に呼ばれているかは定かでは無い)。
ミーナの性格はお姉さんタイプの女性で、よくサキュバスのようにも言われる。
そんなミーナが誰かに話しかけている。周りには人は居ないのに。
「次ですか?」
だが、誰かが応えた。
それはミーナが乗っている龍だ。
龍の名はハブ。
東洋の翼の無い龍になっており、長さは十メートルくらいある。所々に足があり、鋭い爪を持つ。
ハブは正確には龍人であり、本来は人の姿をする。
ハブの性格は知的派で、落ち着きのある軍師タイプ。
二人の関係は夫婦である。つまり、異種族夫婦である。
そんな二体は次に行く場所を決めている。
「ミーナは何処を所望しますか」
「宝神塔に行きたいですねぇ」
ハブの問いにミーナは宝神塔と応えた。
宝神塔とは何メートルと高い塔の中に幾つものフロアがあり、そこには宝箱があって、その宝箱にはしょうもない物から伝説級や幻級までの物が入っている。取ってもまた復活していて人気がある塔と言われている。宝箱が出現する事から宝神様がわさわざ置いてくれている塔、宝神塔と呼ばれるようになった。
「そうですか。ではお近くの街に向かいましょう」
「は〜い」
二人は宝神塔へ向かう。