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世界の果てまでもあなたを追いかける  作者: お歌詞屋さん
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1話「今日からこの子がお前の妹だ。」

本当めちゃくちゃな話ですがよろしくお願いします。


これは私の大好きな兄の物語。



"カチャカチャカチャ"


キーボードを叩く音、パソコンの光が暗い部屋を不気味にする。


裕翔(ゆうと)ー、降りてこーい。」


"パタン"


黒いパーカーを着た男はノートパソコンを閉じると部屋の扉を開け階段に向かう。


秋本 裕翔(あきもとゆうと)。16歳。男。


ある高校に通う引きこもり男の子。それが周りから見た裕翔の印象だ。(まあまあイケメン?)


一階に降りると裕翔の父、秋本 智(あきもとさとし)が手招きして玄関まで誘導する。


「この美人な人が前に言っていた人だ。」


「よろしくね、裕翔くん。」


そこには背の高い綺麗な女の人がいた。


智は5年前に妻を亡くしていた。だが容姿が良いため沢山の彼女と付き合っていた。けれども毎回「タキ子(亡くなった母)には敵わない」と言って別れていた。


しかし一週間前、急に結婚すると言いだしたのだ。

裕翔はそこまで驚かなかったが1つ動揺した。


それが…


「そして今日からこの子がお前の妹だ。」


背の高い新しい母さんの後ろから出て来たのは背の低い美少女だった。


「初めまして今日からお世話になります高橋 早苗(たかはしさなえ)です。」


彼女は綺麗な黒色の髪をわずかに揺らしお辞儀をする。


ショートの髪にまだ成長途中の胸が裕翔以外の男を萌えさせる。


「初めましてか…」


裕翔は彼女の顔をチラ見した後すぐ自分の部屋に戻った。


早苗が何か悪いことをしたかなと悩んでると智が言う。


「流石に覚えてないか…早苗ちゃん。学校に不登校の子いる?」


「不登校の子?いきなり何ですかパパ?」


早苗は物心つく前に父親がいなかった為お父さんができると知った時に嬉しくなり何度か智と会うようになり今では「パパ」と呼ぶほどになっていた。


「その子の顔思い出せる?」


「覚えてません。」


「じゃ名前は?」


彼女は手を顎に当て思い出そうとする。


「名前…確か秋本…あ!秋本 裕翔さん。」


「そう。早苗のクラスメイトさ。」


早苗は驚いた表情をした。これまた可愛い。


少し落ち着いてくると今度は美人なお母さん高橋 瑠美(たかはしるみ)が口を開く。


「早苗、裕翔くんを学校に行かせてくれない?」


「え?」


早苗はもっと驚いた表情をした。


「お願いね。」


こうして裕翔と早苗のちょとおかしな恋が始まろうとしていた。







次の日。


「何で俺が学校に行かなきゃいけないんだよ。」


裕翔は重い足取りで通学路を一人で歩いていた。


理由を聞かれると頭が痛くなりそうだ。何故なら…


朝早く叩き起こされた裕翔は早苗に学校の重要性を説明すると言って一時間の拷問を受けた。


もし学校に行かなかったら行く気になるまでこれが続くと聞いた瞬間身震いがして仕方がなく行く事になった。


一人なのは早苗が今日、日直で早く行かなきゃいけないだからだそう。


裕翔は負のオーラ全開で学校に着いた。校門には誰もいない。それも当たり前だ。すでに授業は始まっている。


管理人に学校に入れてもらいついでにクラスの場所を教えてもらう。


裕翔は自分のクラスの1-Bまで着くと扉の前で一息つく。


それもしょうがない。入学式以来きてない裕翔はクラスメイトとは関わりがない。それに対して他の人はすでにチームを作っており仲良くやっている。そこに裕翔が入れるとは思わない。しかし


"ガラガラガラ"


裕翔は堂々と淡々とあっさり教室に入った。


(うわ。人多。吐き気がする。)


裕翔は人が多いのが苦手だった。だから入る前に実は深呼吸をしていたのだ。「友達できるかな?」など少しも思っていなかった。


教室に入った途端クラスの早苗を除く全員、先生も含めて驚いた表情でこちらを見つめた。


が、何もないかのようにスムーズに裕翔は席に座った。


「「「え〜?」」」


今まで不登校だった子が学校に来たと思えば何事も無かったように振る舞う姿を見て何人かが声をこぼした。


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