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<2章>地球へ

<2章>

地球へ



辺りには僕以外には誰もいないし何の音もしない。

静寂と闇に覆われたまるで無の世界。

無限に広がる無の空間にぽつんと自分だけが存在しているみたいだ。


「早く経験を積まないとなぁ」

「ここで待機するようにって言われたけど、そろそろかな。」

ルカは独り地球の目前で待機していた。

訓練しているとはいえ動かないで浮遊しつづけるのは意外と骨が折れる。



「すまない、待たせてしまったらしい。」

急に気配を感じて振り返ると、すらっとした長身の男が背後にぬっと現れた。


「はっ! アロンさん、心臓に悪いです。」


「心細かったでしょう。」

アロンと呼ばれた男はそう言うと口角をわずかに上げてふっと笑った。

なんか背景に少女漫画のふわっとしたシャボン玉のヤツが見えてるし!と心の中で思いながらもなぜか赤面してしまう。

「ここは何もないいわゆる無ですからね。大概の者はそう思うでしょう。」


「先輩!地球時間で1日という短い期間ですがよろしくお願いします。」

と慌ててかき消すように続ける。


アロンはソピアーのエースであり、生態調査のエキスパートだ。

いつも真面目で勤勉であるため、女子人気も高い実力者である。


「とりあえず浮遊したままでの長話は負担が大きい。あとは地球についてからにしましょう。それと、調査区域はもう決めてあります。そうです、ロシアです。2人とも全く初めての地に降り立つよりは幾分か勝手がいいでしょう。多少の言語も覚えておりますし。まあそうは言っても私は百年前に一度行っただけですが。」


ルカにとっては初めての第三宇宙。初めて降り立つ地球という宇宙ほしはどんなところなんだろう。どんな種がいるんだろう。ルカはまだ見ぬ未知の種への恐怖と好奇心が雑じって胸がいっぱいになるのを感じながらカフ型の超小型ブレーンを左耳に装着した。


「大気圏を抜けて明るくなってきたら体も人間化しますのですぐ着物を人間仕様にするのですよ、凍りますからね!いいですね?ついたらすぐ着替えないと凍りますからね!大事なことなので二回言いましたよ。」

「は、はい。」

「では行きます。」


そう言うとアロンはルカの首根っこをむんずと掴み、慣れた様子で一気に空間転移を始めた。



「ぬうわあぁ~~~~・・・」

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