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小泉八雲と火曜の木箱  作者: りゅた
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小泉八雲と火曜の木箱ー05ー

「話しでは聞いていたけど本当にでかいね」

と春子は篠香田邸をまじまじ見て言うが、春子以外は声すら出ないで居た。「早く。家族に紹介したいんだ」と篠香田秋に言われ八雲達に4人は篠香田邸の母屋に繋がる門をくぐった。

篠香田邸は母屋と離れに分かれていて、庭には日本庭園が広がり池には錦鯉が優雅に泳いでいる、そして門から母屋迄最低5分は掛かると秋が説明しながら4人の前を歩いていると、秋が急に春子に話し掛けてきた。

「あのね、春ちゃん」

「どうしたの?」

「急に居なくなってゴメンね。会いに来てくれたんだね。」

「...当たり前じゃない。」

「良かった…嫌われたかと思ってたから。」

そう言うとまた前を歩く秋に、春子は立ち止まり秋をジッと見ていると少し違和感を抱きそれを夏歩・冬馬に知らせたのだが「気のせいだ」と言うので今度は自分の後ろをノロノロと歩いてくる八雲と柴田に相談した。

「小泉君・先生...私の気のせいだと思うのですが…」

「じゃあ気のせいだ。」

「八雲。木瀬さんの話しを聞きなさい。で、どうしました?」

八雲も冷たい態度に一喝してくれた柴田に感謝の意を込めて一礼し、春子は秋に抱いている違和感を話した。

「実家に対してあんなに怯えていた人がこんなに明るくなるって可笑しくないですか?」

「篠香田が明るいとダメなのか?」

「そう...じゃあないよ。私も嬉しいよ明るくなってさ。でも秋にちゃんじゃない気がして。」

「木瀬さんはちょっと勘違いしていると思うよ。」

「えっ?」

「篠香田は実家が怖いじゃなくて、今年の誕生日が怖いんだよ。だから、実家はセーフなんじゃないの?」

「違う!!実家に帰りたくないって言ってたもん!!ってかセーフって!小泉君に言った私が馬鹿だったわ。」

春子が八雲との会話を終わらせると黙って聞いていた柴田がようやく口を開いた。

「確かに可笑しいですね。」

柴田のこの言葉に春子は「ですよね!!」と調子を合わせて、柴田の言葉を待った。

「篠香田君は誕生日も実家も、恐れていました。彼のあの姿を見た者からすれば、この変貌はまるで別人に見えますね。まあ吹っ切れたと言ってしまえばそれまでなのですが…八雲はどう見ますか?」

「そうだな。確かにそう言うとそう見えるが、別人と、いえば別人だな。」

八雲と柴田の会話に一抹の不安を覚えるが、同時に疑問も浮かび上がる春子は八雲に言った。

「秋ちゃんは本人よ?別人って...意味不明なんだけど」

その春子の言葉に八雲は一瞬イラッとしが春子の腕を掴み「兎に角気をつけろ」と一言いうと母屋の玄関で待つ3人のところ迄走って行った。春子はその後ろ姿をみて何だか悲しくなったが、柴田が頭を撫でながら春子を安心させようと声を掛けた。

「木瀬さん大丈夫です。必ず僕と八雲がしのい君を助けますから、なので少しお手伝いお願いいたします。」

春子は柴田の言葉で安心し、自分に渇を入れるために振るえる足に拳を叩き「はい!!」と柴田に答えた。

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