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小泉八雲と火曜の木箱  作者: りゅた
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小泉八雲と火曜の木箱ー04ー

春子は始発の電車を大きなカバンと共に待っていた。そこに夏歩・冬馬・柴田の三人がそれぞれやってきて、ホームに入ってきた電車に乗り込んだ。

「先生。恋丘君は?」

夏歩は八雲の姿が無い事に気付き柴田に話し掛けると、柴田は眼鏡をクイッと押し上げ「多分寝坊ですね」と明るく言い、夏歩は頼りないといった感じで溜め息をついた。そんな夏歩を横目に冬馬は柴田に八雲について質問をした。

「なぁ。」

「何ですか?」

「何で『小泉八雲』何だ?『恋丘棗』じゃあ駄目なのか?」

その質問に春子と夏歩も「そうだよね」とのっかり柴田の回答を待っていると「それは」と後ろの方で声がした。

「小泉八雲 は代々の部長から後輩達に受け継いだ名前だからこの名で活動している。」

声の方を三人が振り返ると八雲がこちらに向かって歩いてきていた。柴田が八雲に「やあ」と手を上げると、八雲も柴田に手を上げた。

「寝坊かと思っていたよ。」

「昨日父さんの仕事の手伝いしてさ、次いでにご了承について聞いたら話し止まらなくなってね。寝坊するところだったよ。」

「伊織さんは相変わらずだね。で、何か分かったかい?」

期待の眼差しで柴田・春子・夏歩・冬馬が八雲を見てくるが、当の本人は知らん顔で四人を見つめ返すという光景が車内にあった。

電車はどんどん都会を離れひたすら走る。その間各々の時間を過ごし、八雲は春子に声を掛けた。

「昨日は悪かったな。」

何か思えば昨日の悪態についての謝罪だった。春子は突然の八雲の謝罪に驚き慌てて首を振った。

「いや...全然だよ。こちらこそぶつかったのに謝らないですみません。あと...」

「あと、何?」

「ありがとう。秋ちゃんのこと。」

「お礼は無事に助けた時でいい...じゃあ。」

二人の会話は直ぐに終わったが春子は八雲が本当はいい人で少し距離が縮まったと嬉しく思っていた。


四人は目的地に着いた。篠香田家の場所を聞こうと人を探すも人一人見つからず、八雲がこの状況脱却の為に「篠香田に電話しろと」と春子に圧力を掛けたが、残念ながらこの地では携帯電話の電波は無いらしく春子は怯えながら八雲を見て首を振った。

しかし、天は彼らに味方したのか人が一人彼らの方に向かってきているのが見えたので夏歩はその人に見えるように思いっきり大きく手を振った。するとその人も手を振り替えしてた。

「今あの人こっちに来てくれるみたいよ。」

そう皆に伝える夏歩の言葉に八雲・春子・冬馬が安心した表情を見せ近づく人に期待したが、柴田がだけがその人を知っていた。

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