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1話 『異世界』


 今の俺の気持ちを一言で表せと言われたらそのときは間違いなくこう言うよ。


『つかれた』


 本当にこの一言に尽きる。いきなり目の前に魔法陣が現れたかと思ったら

抵抗する間もなく光に包まれ異世界に飛ばされた。

 

 いきなり『地球』からよくわかんないところに飛ばされたら普通の神経の

奴なら速攻で帰りたい、って思うとおもうんだ。だってそうだろ。誰も知らない

世界だぜ。誰が俺に飯を食わせてくれるんだよ。いや、ほら、俺まだ高校生

だから親に食わせてもらってたからさ。暗い気持ちに押しつぶされそうに

なった。

                                         

 しかし次の瞬間には前向きな気持ちが芽生えた。

 自分で言うのもなんだがどんな時でも明るい未来を模索しようとするのが

俺のいいところだ。これしかいいところがない、ってわけじゃないぞ。他にも

いろいろあるんだ。んでそのとき思いついた前向きな考えってのが

『もしかして俺、勇者として召喚されちゃった!?』というものだった。


 よくあるだろ?小説とかゲームとかでさ。突然魔法陣が目の前に現れて

召喚された先が『王城』とかで周りに『召喚師』とかいてさ。


「よくぞ来られた。あなたに我が世界の未来を託したい」


って王に言われちゃうんだ。んで実は乗り気なんだけど


「っけ、めんどくせぇな。まぁそんなに頼まれちゃぁ仕方ねぇな!」


 とか言って冒険の旅が始まる、っていう展開が。


 わかってたさ。それを思いついた時の周りの景色が王城ではなく

薄気味悪い森で、尚且つ周りに誰も人がいないってことくらい。


 おかしいな、って思ったけどさ。よくあるだろ。なんかのミスで

座標認識がおかしくなって違うところに召喚してしまった、とかさ。


 たぶん俺もそういうパターンなんだろうな、って思って薄気味悪い

森をたったひとりで抜け出た。この時何回モンスターに殺されかけた

ことか。時間があるときにこの辺の冒険譚は書きたいな。いや、ただ

逃げ回ってただけで見せ場なんて微塵もないから必要ないか。


 そんなこんなで必死こいて、本当に死にそうになりながら森を

抜け出たんだ。『絶望』ってこういうことを言うんだな、って思ったぜ。



 知らなかったよ。このあと更なる絶望が俺を襲うことになるなんてさ。






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