0話 超特異生命体
2061年6月13日。人類は新たな段階に突入した。
そう人類は肉体を必要としなくなったのだ。
これまで存在していた数多の娯楽は全て仮想空間に再現され、食糧も、筋肉も、血液さえ必要としない。
また2063年のデータによれば人類の99.99%がその仮想現実にて生活をしているようだ。
では残りの0.01%は何をしているのか。
そうそれこそが「クリエーター」である。
人間の特異個体である彼らは人々の間で特異的存在と呼ばれ、その圧倒的な頭脳レベルの高さから様々な技術を生み出すことを可能にしてきた。
やがて彼らの生み出す技術は肉体の存在さえ揺るがすほどとなり、今や脳みそ以外の何も必要としない人類の新たなステージを作り出した。
肉体すら持たず、半永久的に生き続けることのできる人類は「完全形態」と呼ばれ、睡眠や食事、繁殖といった生物の三大要素さえ必要としなかった。
めでたしめでたし。
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とはいかない。
他の生物はどうしていたのだろうか。
虫や鳥、かつては人と生活を共にしてきた犬や猫。
彼らはどうなってしまったのだろうか。
結論から言えば2070年現在、それら生物の総数は約10万匹だと言われている。
極端な人類の開発により気温は最高90度にも達し、全ての水は蒸発し地球上は蒸気に覆われてしまったために、以前の動植物はあっという間に命を落としてしまったのだ。
この悲劇の始まりも全て特異個体「クリエーター」の誕生によるものだ。
しかし仮想空間に浸ってしまった人類はもうこの現実を目にするつもりさえなく、今この世界を救うことができるのは我々
【超特異生命体】
のみである。
人類は特異個体を総じて特異生命体と呼んだ。初めは人類にのみ存在すると考えられていた特異個体だが、実際にはどの生き物、植物にも存在していることがわかったためである。
そうした特異個体の中でも特別優れた能力を持っているのが超特異個体、総じて【超特異生命体】である。
クリエーターによる開発で繁殖を不要とした人類にはこの【超特異生命体】が存在しない。
クリエーターの開発以降も繁殖を続け、環境に適応して産まれた動植物こそが【超特異生命体】なのである。
2070年現在、我々【超特異生命体】と特異的新人類「クリエーター」の地球の滅亡を賭けた戦いが始まる。




