第三章 完璧美少女JKの華麗なる一日!
私は完璧美少女JK諸刃剣だ。
完璧美少女JKとは、成績運動神経容姿性格とにかく全てが完璧な美少女JKのことを指す。そして成績運動神経容姿性格全てが完璧で美少女であるこの私、諸刃剣は……て、こらそこ!矢庭に点数が書かれたボードを掲げるな!M●グランプリじゃないんだよ!私の魂の籠った言霊を漫才か冗談みたいに扱うな!おい!そのボードよく見せろ!こら!0点ってどういうことだ!
……こほん。気を取り直そう。つまり何が言いたかったかと言うと、要するに前述の能力すべてが完璧で美少女なJKであるこの私、諸刃剣は完璧美少女JKであるということだ。
成績。運動神経。容姿。性格。
そして。
それはそう、例えば、寝起きのルーティンに関しても。
「んー!何故か人の完璧な自己紹介を漫才に例えてディスられる最低な夢見たけど、良く寝たー!」
目覚まし時計を用いることなく、いつも通り午前6時半丁度に起床した私はんっ、と、ベッドの上で背筋を伸ばした。気持ちのいい朝だ。
……にしても、ほんと、何だったんだろうか、あの夢は。まったく……夢だからよかったものの、もしあれがほんとにあったことなら今頃ネットで可憐なJKを苦しめるなんて許さないと、私の可愛いファンが貴様らを袋叩きにしていたところだぞ。夢でよかったな、貴様ら。
ベッドから降り、屈伸や腕伸ばしなどの軽い柔軟体操を行う。これをすることで寝ている間に凝り固まった体をほぐすことができ、血行も良くすることができるのだ。
おいっちにおいっちにー。
何故『お』をつけるのか四六時中考えても答えの出ない謎の掛け声を発しながら柔軟体操を終え、今度は閉じていたカーテンをシャっと開く。
こうして目いっぱい朝日を浴びることで、セロトニンやメロトニンの生成を促すことができ、更には美肌効果も――
「…………」
――私はカーテンを閉じた。
……見られていない。
絶対に見られていない。寝起きで髪ぼさぼさのJKが「朝日ぃさいっこうー!」とか言いながらパジャマ姿で叫んでいる所なんて。
そんな痴態など駅に向かうサラリーマン複数になど、見られていない。
大丈夫。私は完璧美少女JK。そんなミスなど読者の皆様の前で晒すわけもない。
「剣ーご飯よー」
普段より二倍くらい早くぴゃぴゃっとパジャマから制服に着替え終えると(決してパジャマ姿を見られたことが恥ずかしかったわけではない)一階のダイニングから母親の声が聞こえて来て、「あーい」と返事を返す。私の返事のてきとーさと相まって、母親の呼びかけがペットに対するそれとしか思えないが、まぁ気にしない気にしない。
階段を下り、ダイニングへ下り、エプロン姿の母親に挨拶をする。
「おはようございます。お母さま」
「この章でまだ読者に完璧な所を一つも見せられてないからって急に母親の呼び方を変えないの。いつもはお母さんどころかママン呼びじゃない。ていうか、モノローグではさっき母親って言ってた気がするんだけど。まぁ、とにかくおはよう、剣。今日も早いのね」
いつも通り、カーテシーを行った私に、訳の分からない前置きをつけて挨拶を返してくるママ……じゃなかった。お母さま。もう、お母さまったら。お上手なんですからオホホー。
「完璧美少女JKは完璧だからね。タイパもパーフェクトなんだよ」
「……?あー。確かに謎の場所に行くの難しいものね。やっぱり剣はすごいわ」
「それタイパじゃなくてダイパ。何で朝からポ●モンやらなくちゃいけないの。確かにアル●ウス捕まえるのは難しいけど。てかお母様、何でそんなこと知ってるの」
専業主婦らしく言葉の匙加減をミスる母親に疑問を抱きつつ、私はダイニングテーブルに移動した。
ハムエッグサラダトースト牛乳、そしてもう一つ付け加えられた、絶対にいらない食材を除き、王道故に最強の朝食が準備された席に着く。
まったく……相変わらずのお母さまだ。
凛とした顔だちに眼鏡と、一見ものすごく知的に見えるお母さま。
しかし、それは見せかけ。
その証拠に、先ほど紹介した王道の朝食には、さっきも言ったように一つだけ、絶対にいらないものが添えられている。
――ものすごい量のリンゴが。
まるで、ふりかけのように。
……おそらく『リンゴは医者いらず』という諺を拡大解釈したためだろう。
昨日、クイズ番組で答えになっていた諺だ。
覚えた知識や言葉をすぐに使うことを、衒いだなんだと、悪いことのように批判する人はいるけれど、私はどちらかと言うと覚えたての知識だからこそ早く使うことで記憶に定着させることができるのでどんどん使えばいいと思う派だ。だから、それ自体に腹を立てたりはしない。林檎もどちらかと言えば好きな方なので、体力に食べるのも別にそこまで苦ではない。
だがしかし、――目玉焼きの黄身の部分に林檎をぶちこむのだけは是非ともやめていただきたい。
卵が半熟だったせいか、ハムエッグがあふれ出した黄身のせいで、まるでスープみたいになってるし。
しかも塩コショウが振りかけられているせいで、リンゴの甘い匂いとスパイシーな香りが混ざり合ってなんとも言えない芳香を漂わせている。なんか、林檎のせいで医者に行きたくなってきた。
「ごちそうさまでした」
十二分目くらいに腹を膨らましつつ何とかりんごもろとも完食する(母親は料理にケチをつけると部ちぎれるから食うしかない)。
歯磨き若干の化粧髪の毛の手入れなどを一切の無駄なくこなし、瞬く間に朝の準備を整え、あとは学校に行くだけと相成った(トイレ?何のことだ?完璧美少女JKはトイレなんて行かない)。
ふっ、我ながら手際の良さが恐ろしいぜ!さて、それじゃ、そろそろ学校に行こうかな。ドアを開けて~っと。
…………あ。
「?どうしたの?剣?そんな雪みたいに冷たい顔で玄関の前に座り込んで。毒林檎でも食べたの?それとも、自分の力が恐ろしくなったの?一人でいたいの?」
「いや、違う……そんなジャスラ●クにひっかかりそうな理由じゃない」
「じゃあ、どうして?」
問うてくる母親に、私は門を開かずに、言った。
「タイパ……上手ぎて……まだ全然学校に行く時間じゃなくて、何も、することなくなっちゃった……」
「……ダイパ、やる?」
「やる……」
……ポ●モン楽しすぎて私、舞い上がりそ(ry。
どうも皆様こんばんは(カーテシーをしながら)。皆様ご存知、完璧美少女JK、諸刃剣です。
第3章では、皆さまが知りたい知りたいと切望されいていた(切望してたよね?)、完璧美少女JKがどんな華麗な一日を送っているのか、それをお伝えできればと思っております。
早速、第一話でやらかしたかのように思われたかもしれませんが、この話はあくまで私自身が書いているのではなく作者であるロリコンの童て(以下の一文字はどこかの頭のおかしい魔法使いによる爆裂魔法により吹き飛ばされました)が書いているので、多少事実と相反する部分があるのでお気になさらないようにしてください。
それでは皆様、この素晴らしい完璧美少女JKの一日をとくとご覧ください!




