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「えっと……大丈夫ですか?諸刃さん。背中、たたり神の呪いを受けたアシ●カみたいになってますけど……」
「大丈夫だ。カヤ」
「呪われちゃってるじゃないですか。ア●タカじゃないですか……あと、私、カヤじゃありません。今日、あなたの上体起こしのペアを務めます。あなたと同じ一年一組の委員長、蝶園陽華です。よろしくお願いいたします」
さりげなくカメラ目線(?)で状況の説明と自己紹介してきやがった……。病人を利用しやがって。
しかし、名乗ってもらったところ悪いが、お嬢様な名前と口調と比べて、見た目が金髪サイドテールと、ギャルっぽくて名前が覚えにくい。名前が……あれ?さっき名前なんて言ってたっけ?蝶……蝶野?正洋?うーん、ま、いっか、ギャル委員長で。
50メートル走を計った翌日。
今日はギャル委員長の言う通り、上体起こし、つまり腹筋の回数を計る日だった。
ギャル委員長は、私の足を押さえてくれるパートナーということだ。
昨日は50メートル走6・9秒という校内女子最速の記録を叩き出したものの、ついでに棒とクッションのない棒高跳びをかますという、なんとも完璧美少女JKの私らしくない不格好なさまをクラスメイト及び読者の皆様に見せてしまった。
今日こそは普通に満点取って、もっと皆を私に夢中にさせてやるぜ!wa・ta・shI・ni・mu・chu!
……と、まぁ威勢のいいことを言ったものの。
「…………」
私は生徒の熱気ですっかり蒸し暑くなった体育館を見渡す。
当然ながら、上体起こしにもルールが存在するわけで、周りでは本番に向けてウォームアップ、と言うほどでもないが、本番に向けて動作の確認をしているクラスメイトがちらほらいる。
そのうちの一人、ウォームアップしている内の一人である、小柄で胸の大きいロリ顔ショートカットの女子生徒を参考にルール説明をさせてもらえれば次のような感じ。
1 体操着姿のJKである彼女が膝の角度を90度にしてマットの上に座り、大きな胸を強調して持ち上げるように両腕を組み、白い布の上に、同じくらい白いお腹をチラ見せして寝転ぶ。
2 それを凛とした顔立ちの、これまた胸の大きい相方の女子生徒が、ロリ顔JKの足を掴み、ついでに足もクワガタみたいにロリ顔巨乳JKの足に絡ませ、身動きを取れなくする。
3 そして30秒間、ロリ顔巨乳JKは、凛として巨乳JKに押さえつけられながら、背中を床に着ける→「んあっんあっ」と荒々しい息を吐きながら、組んだ両肘と巨乳が自身の膝につくまで起き上がる→そして苦悶の表情と脂汗を浮かべつつ、背中が完全にマットに着くまで寝転ぶ、という以上の動作を繰り返し、この一連の動作の数を何回できたのかを計測する。
という感じだ。
……何故モデルにロリ巨乳JKと、凛として巨乳JKを用いたのか、説明の仕方が何故エロティックなのか、そういうのは、そういうのに理解ある崇高な読者の皆様であれば言葉を尽くさずとも十分理解してくれると信じているので言及は避けさせていただくけれど、しかし、そう。それ以上に賢い皆様であればおそらく既にもう一つ、気になっている点が浮上していることと思う。
そう。背中だ。
この上体起こしとかいう競技、なんと背中をきちんとマットにつけなくてはならないのだ。
今も体操服が背中に触れるだけで、真夏のプールサイドを素足で踏みしめた時と同じくらいの痛みが襲ってきているというのに、このひんやりとしたマットに背中全体を、しかも起き上がった反動で勢い良くぶつけなくてはならないと考えると、もはや想像するだけでも空恐ろしい……。
そして、その点をギャル委員長も分かっているのだろう。体育座りでマットに座った私の足を両腕で抱え込むと、ギャルのくせに甲高い声で不安げに問うてきた。
「あの……ほんとのほんとにやるんですか?やっぱりやめた方が良いんじゃあ……背中、本当にタトゥー消した直後の人みたいになってるんですから……」
「死んでも、10点取る」
「そんなヒロインを拘束している魔王に対峙する勇者みたいな顔されても……スポーツテストって、そんな命がけでやるものじゃないでしょう?」
分かってないな、こいつは。完璧美少女JKは完璧でなければならないのだ。たかがスポーツテストと言えども完璧美少女JKたるもの、私は常に満点を取らなくてはならないのだ。ふん。いくら言葉遣いが上品で物腰柔らかな真面目な委員長と言えど、結局のところ根は甘っちょろいギャルか。そんなんじゃあ、今は楽しく生きられても、今後戦場では生き残れないぞ!まぁ戦争は起こらないのが一番だがな!
と、勝手に内心で毒づいていたのだが……
「けど、分かりました……」
「え?」
何故か、さっきまでのたれ目のほんわかした顔とは打って変わって、ものすごく真剣な顔で、ギャル委員長が私を見下ろしていた。な、なんだ、そのヒロインを拘束している魔王に対峙する勇者みたいな顔は……!
「そこまで頑張っている諸刃さんの努力を無駄にしたくありません!諸刃さんのパワーに負けないよう、私も全力で諸刃さんの足を押さえます!」
「はい?」
さっきもの●け姫の話をしたから諸が『モロ』に聞こえる……じゃない!いったいぜんたい急に何を言い出しているんだ!こいつは!
「い、いや……別にそこまでしなくても……というか、少しは緩めにやってくれた方が、私も点が取りやすくて助か」
「ささ、早く寝てください」
聞いちゃいねぇ!
既に自分の世界に入ってしまったのか、病院の看護師か、もしくは夜の店の看護師みたいな台詞を吐いて、マットをバンバン叩いて来やがる!
くっ!こら!離せ!せめて優しくしろ!そんな激しく私の足を自分の胸に押し付け、足もまるでヒロインを拘束する魔王のように絡ませてくるな!って、お、おお……形のいい胸が柔らかいのに力強く私の脛の上で潰れて、ふくらはぎも互いに求め合うようにむぎゅっとなんとも言えない接戦を描いている……。まるで悪徳女魔王に拘束されたヒロインの気分だ……。勇者が来る前に堕ちてしまいそう……。寝てください、という言葉も別の意味の言葉に聞こえて……って何を考えてるんだ私は!早くベッド(マット)の上に横にならなければ――
「いっーーーーー!」
「だ、大丈夫ですか!諸刃さん!なんだか、もの●け姫に出てくる骨が折れた時の●六を担ぎ上げた時みたいな声出ましたよ!」
「い、いや……無理矢理もの●け姫ネタを入れてこなくていいから……寝転んだらちょっと背中がマットと擦れて痛かっただけ……それより……ほんとに無理して強く抑えてくれなくていいからね。決して私が楽して十点取りたいからじゃなくて、少しでも委員長に楽してもらいたいだけだから……」
薄れゆく意識の中、私は真意が伝わるよう、懸命に笑顔を作ってギャル委員長に訴えかけた。これ以上、こんなに強く押さえつけられた状態で激しい運動をすれば、私はおかしくなってしまう(腹筋をするだけ)!伝われ!私の願い!
「(にこっ)」
伝わってねー!これ絶対伝わってねー!
完全に、『自分が怪我して大変な状況なのにも関わらず私を気遣ってくれてる……あら、意外といい女じゃないかい(アシ●カの素顔を初めて見た時のトキボイス)。私も頑張らないと!』みたいな笑顔だ!どうしよう!滅茶苦茶いいやつなのは分かったけどものすごく殴りたい!
「よし、それじゃそろそろ始めるぞー」
とか考えてる内に、例のテンプレ女性体育教師が笛を構えてしまう。何とかしてギャル委員長を説得しようと一瞥するも、しかし、もう手遅れ。なんかもう完全に作風を間違えているとしか思えないような、ジョ●ョのバトルシーンみたいなシリアスな顔になっていた。
「っ……!」
くそ!
ああ、もう!分かったよ!
やってやる!やってやろうじゃあねぇか!
私は国会中に居眠りしてるくせに態度だけはいっちょ前の政治家みたいに胸の前でしっかり腕を組んだ。
奥歯を噛み、うざいほどまぶしい体育館の照明を睨んで、覚悟を決める。
ピュイイイイイイイイ!
電車の扉が閉まる直前に車掌さんが鳴らす笛と同じくらい、無駄に完璧な笛の音が鳴り響く。
くそ!ああ、やってやる!もうここまできたらやってやるさ!
道を、切り開いてやる!
覚悟とは!
暗闇の荒野に!
進むべき道を切り開く事だ!
wryyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyy’yyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyy!
「ってやっぱ無理yyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyy!」
「諸刃さああああああああああああああああああああああああああああああああああ”ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああん!?」
笛が鳴った直後、一度目の腹筋で体を持ち上げた後、二度目の腹筋をするべく背中をマットにつけた瞬間、あまりの痛みに私は悲鳴と根を上げてその場に横臥した。
慌ててギャル委員長が駆け寄ってきて激励の言葉をかけながら私の肩を揺さぶってくる。が、全く耳に入ってこない。あ、ありのまま今起こったことを話そうとしても口が全く動かない。
……や、やっぱ無理やった……。
「す、すまねぇ……ギャル委員長。どうやら、私は、ここまでのようだ……あいつらのことを、よろしく頼む……」
実際はそんな大層なものではないが、気分的には無理矢理頬を吊り上げつつ血反吐を吐いているように訥々と告げる。アニメバージョンではそんな絵になってるだろう。台詞に関しても、あいつらってどのあいつらだよとか思うところがないでもないが、とにかく私の痛みは無意識にそんな感動的な場面を作り出してしまうほどの痛みだというわけだ。
おそらくこのまま寝ておけば、優しいギャル委員長のことだ。私を持ち上げ、マットではなく保健室のベッドの上にでも連れて行ってくれるだろう。というかもういっそのこと家のベッドに連れて行ってほしい。なんなら看護師の格好をして私を優しく慰めてほしい。もちろん慰めるという言葉の意味はあっちの方だ。それ以外にあり得ない。
と、そんな風に、痛みのあまり思考がぶっ飛び、全く以て本当に、一切本心ではないことを考えてしまっていた。
のだけれど、
「何、言ってるんですか……」
「え?」
突如、小さく、低く。しかし大きく、大気を震わすようなそんな声音が、響いてきた。
「何で諦めちゃってるんですか!」
……あれえ?
あっれれー?
おっかしいぞー?
なんか人間ながら気候を操る異能力を獲得した、元プロテニスプレイヤーみたいな気迫と台詞を感じる、つまり鬱陶しいやつが目の前にいるぞー?
さっきまでオタクに好かれそうな女子ナンバーワンみたいな面してたのに、何故か今は私の胸倉をつかんで涙を流して訴えてきているやつがいるぞー?
うーん?どうしちゃったのかなー?この変りようは何なのかなー?何変身しちゃってるのかなー?黒ずくめの怪しげな取引現場でも目撃してたのかなー?
看護師どころかコーチにでもなってしまったかのように、ギャル委員長は
「諦めないでください!諦めないでください!」
と訴えかけてくる。おい、ナースコールの「コール」ってそういう意味じゃねぇだろ。
「諸刃さん、言ってましたよね?死んでも十点取る。私はこのスポーツテストのために生まれて来たんだって!」
そいつ――ええと、だめだ。こんな感動的な場面になっても、やっぱり名前が思い出せない。とにかくギャル委員長は更に私の顔を、ミックスサイズの中のやつでも特に小さい卵みたいな自分の顔に近づけ、目玉焼きが出来上がりそうなほど、熱い口調で語ってくる。
「いや、そこまでは言ってないと思うんだけど……。というか、やっぱり本気でスポーツテストに命は……」
「スポーツテストはそんな甘いものじゃありません!」
「命がけでやるものじゃないんじゃなかったの!?」
おいおい、いったいどうしちまったんだ、こいつは。
この一瞬で完全にキャラが崩壊してしまっているじゃないか。そんなにも、簡単に根を上げた私にムカついたのか?苦しい時にもっと笑わなかったからいけないのか?それとももともと炎の妖精だったからなのか?ギャルで委員長で炎の妖精ってどんなキャラだよ。
「諸刃さん……私は、嬉しかったんです」
「え?」
が、どうやら例の錦●圭の育ての親が乗り移ったわけではなかったらしい。ギャル委員長は急に物寂し気な笑顔を浮かべると、
「私……昔から内気な性格で……人前に出るのが怖くて……それで、少しでも見た目を派手にすれば少しは変われるかなって思ってこんな見た目にして……勉強や運動を頑張ったのも……委員長になったのも、そうすれば、内気な自分を変えられるかなって思って……でも、やっぱり駄目で……」
ギャル委員長は自分の過去を語るのが恥ずかしいのか、頬に朱を差しながら、訥々とした口調で、それでも蚊の鳴き声くらいには大きな声で話し続ける。
「だから!」
そして。
そして、更にもう一段階、私の胸倉を自身の顔に引き寄せると、まさしく炎の妖精のような、厚く、熱い声音で叫んだ。
「だから!さっき諸刃さんを見た時、私は感動したんです!こんなにもまっすぐで!真剣に人目を気にせず!自分のためだけに一つのことに全力で努力できる、そんな、諸刃さんに!」
「……!ギャル委員長……!」
「すいません。こんな感動的な場面でくらい、名前で呼んでほしいんですが……」
そうか……私は大事なことを忘れていた……「あの!名前!私!蝶園――」完璧美少女JKは完璧であるが故に皆の見本となり、尊敬され、期待される存在でなければならないんだ「完璧なら名前、忘れないでくださいよぉ!」。そして期待されれば、それに応える――それも、完璧美少女JKなら当然のこと!
「ありがとう。ギャル委員長。私に、大事なことを思い出させてくれて」
「いえ……私としては、そんなことより名前を思い出していただきたいのですが……」
「その目でしっかり見ててくれ!そして足を押さえてくれ!私は絶対ギャルの期待に応えて見せる!」
「何で頑なに覚えてくれようとしないんですか!ていうか今、とうとう委員長の部分も忘れ――」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
胸倉をつかんでいたギャル委員長の手をふりほどき、再度足を押さえさせた私は、なんか友情的な謎パワーのおかげで痛みを無効化した。
そして怪我をしていない時と同等、いや、むしろ何故か普段よりも調子がいい気さえする腹筋を、オーストラリアのコーストの海岸に打ち付ける波みたいに高速で寄せては返していく。
……いや、違う。
そうだ。
調子がいいんじゃない。この背中がたた●神から受けた呪いだと言うのなら、たしかにあれは呪いで、やがて死に至る呪いではあるかもしれないけれど、しかし、あの呪いは、呪いを受けたものに絶大なパワーをもたらすのだ。
であれば、十点である29回以上を取るなど造作もないこと。今なら矢一本で野侍の両腕だってぶちぬけるぜ!うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!
――「ぴいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」
そして、鳴り響く、終了のホイッスル。
……ちなみに回数を計る制限時間である30秒は、さっきのギャル委員長との熱い会話の最中に、とっくに過ぎているのだけど、そこは大丈夫。計測は二回行われ、多かった方の回数を記録するというルールだ。そしてさっきの笛は二度目の終了を知らせる笛。
そして、肝心の二回目の結果は――
「よ、四十五回……!す、すごいです!ていうか、もうここまでくると正直怖いです!おめでとうございます!」
マットの上に倒れ伏した私に、涙を浮かべつつ駆け寄ってくるギャル委員長。なんだか心外な台詞も聞こえて来た気がするが、まぁ、期待には応えられたようなので、それでよしとしよう。せいぜいこの章の終了後のページで、この作品を読んだ絵の上手い読者にギャル委員長のミニスカナースのコスプレ絵を載せてもうらくらいだ。
「あ、せ、背中!背中、大丈夫ですか!私、保健室まで運びますよ!」
そこでようやく私が背中を怪我をしていたことを思い出したのか、ギャル委員長はかがんで私の体を気遣ってくれる。
汗びっしょりの濡れた体のまま、ギャル委員長の体に抱き着いて保健室に行くというのも、なかなか乙なものではあるだろうが、むしろ金を払ってでもやりたいが、しかし、誠に残念ながら、今の私には必要のないものだった。
だって――
「いや、大丈夫……」
「え?どうしてです?遠慮しなくていいんですよ?」
「いや、そうじゃなくて」
何故なら。
そう。
「もう、え●しの右腕を噛みちぎったモロみたいになっちゃってるから……」
「あっ」
これこそ、た●り神の呪いなのか。
背中とお腹が痛すぎて、私はもう、首だけしか動かなくなっていた。
今回も『完璧美少女JK諸刃剣!』をご一読ありがとうござました。いかかでしたか?今回もスペックは高いのにやっぱり残念な結末を迎える諸刃さんをお楽しみいただけましたでしょうか?あ、そうでした。自己紹介がまだでしたね。私は一年一組の委員長。そして諸刃さんのクラスメイトの蝶園――え、ちょっとなんですか!諸刃さん!私、今自己紹介の途中……え?台詞を撤回しろ?私は残念な結果なんて迎えていない?いや、諸刃さん、満身創痍になってたじゃないですか!一回目、すぐに諦めてたじゃないですか!え!?ちょっと!口を塞ごうとしないでください!録音スタジオから無理矢理出そうとしないでください!私、まだ読者の皆さんに名前も言えていないんです!皆さん覚えてくださいね!私の名前は蝶園――(ギャル委員長退室)。




