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「家庭部出禁になりました」

「何やらかしたんだお前」

「…………」

「…………」

「……って、私が何かやらかした前提なのおかしいでしょ!」


 いつものお昼。


 私は相変わらず心外な台詞を吐いてくるらのに抗議を示すべく、どっかのユーチューバーよろしく台パンをぶっかました。


 その余波で冷やし中華のどんぶりも倒れそうになるが、しかし、速く、かつどんぶりに触るときはソフトタッチという見事なまでの手際で、私は転倒を防ぐ。


 ふっ。見たか、この迅速かつ丁寧な対応を。完璧だぜ(そもそも完璧美少女JKならどんぶりを倒したりなんかしないとか言ってくる読者にダイレクトアタック!)。


「次元を超えてまでアンチ読者が乗り込んでくるくらいなら、もう完璧美少女JKとか嘯くの止めろよ……そんで何もしていないのに出禁になるか。どんな部活だよ。なぁ、思い出せよ。お前は絶対何かやらかしてる。神に誓う。思い出せ」

「……そんなことで神に誓われても……」


 もっと別に誓うものがあるはずだろう。例えば、私への愛とか忠誠とか。


 ああ、そうだ。


 ちなみに言っておくと、私は神を信じない。


 いるとかいないとかそういう話をしているのではなく、私はより完璧になるため安易に誰かに頼ることを嫌うためだ。


 神に助力を求めたからと言って成長しないとまでは言わないが、最大限、誰かに頼む前に自分でできることをやりきった方が、より自分の力になると信じているからだ(そう言いつつお前、今らのに助力求めてるよなとか言ってくる読者にはラーの翼神竜の特殊能力で、ギルフォート・ザ・ライトニングを焼き払う!)。


 私は完璧な脳味噌をフル稼働させて、昨日あったことを思い出しながら、


「うーん。やっぱり私は何もしてないわね。料理だって完璧に作れたし」

「証拠」

「そんなナチュラルな動作で人差し指をくいくいされても……。どんだけ信用されてないの、私……。はい」


 私はスマホを取り出し、昨日、体験入部の際、家庭科室で作ったタラのムニエルの写真を見せる。

らのはしばらく()めつ(すが)めつしていたが、20分ほど経ってから(なげぇ)、

「……うん。普通にできてるな。付け合わせも問題があるようにも見えないし……。ううん。作ったのがお前だっていうのは問題だとしても、これで出禁っていうのは流石にあっち側にも落ち度があったのかもな。いきなり来た体験入部の奴に完璧に作られてプライドが傷つけられたとか」

「そうそう!そうなのよ!」

「え……?なんだよ?いきなり机を叩いて立ち上がって。お前が作ったことに問題があるっていうのは、6割しか本気で言ったんじゃなかったんだが……そこまで全力で同意されても」


 そっちじゃない。それと6割も本気で言われてたことが6割だけに割かしショックなのだが。


 しかし、それは一旦置いておいて、私はもう一度机を叩き、らのに詰め寄った。


 というのも、一つ、激しく言いたいことを思い出したからだ。


「聞いてよらの!家庭部の部長、部長なのに、全然料理の知識無くて!私がタラの下処理してたら、下処理はしなくてもいいとか言ってきたのよ!それはお鍋みたいな時だけなのに。だからそういう間違いを逐一指摘してたらその部長!何故か怒っちゃって!それで機嫌を取るためにフランベでも見せれば面白がってくれるかなって思ってやってあげたら、何故かもっと怒られたの!意味わからなくない!?」

「そうだな。意味が分からないな。それが出禁の理由だって分からない、お前の頭が」


 …………え?


「え?何で?何で何で?完璧な知識を与えてあげて、しかもフランベっていうエンターテインメントまで提供してあげたのに、何で私が怒られなきゃいけない――って痛い!」


 何で!?


 何で、私、今上履きの底で殴られたの!?


「上履きみたいに、自分が下のくせに上だと勘違いしてるからだ。お前、昨日私が言ったこと、もう忘れたのか?」

「昨日?……あ」


 ――「自分を上だと思わず格下だと思って接しろ」――


 ……ああ、そっか。


 そっか。


 だから、だったんだ……。


「……そっか。だから私、駄目だったんだね。友達になってもらう以上、私が下であっちが上だもんね。私は完璧美少女JKなんかじゃなく、欠陥JK。私が下私は下……下下下下下下下下下下……」

「急にお守り取り出して呟き始めるなよこえーよ。つーかどこからお守り出した。ていうか欠陥JKて。やめろよ。まるで普通のJKが欠陥品みたいだろうが……あー、悪かったよ。言い過ぎた。まぁ、少しは上なんじゃね?」

「え!ほんと!?私、完璧JK!?」

「お前、メンタルだけはほんとに完璧だな……」


 照れ隠しなのか、らのが呆れたような表情を作って言ってくる。もう、そんなに褒めても何も出ないよ?


「よし、そうと決まれば入れそうな部活全部にこれから体験入部してくるわ。私がどの部活でも活躍できる完璧美少女JKだってことを証明してやるんだから!」

「完全に手段と目的が入れ替わってんだろうが。友達を作りたいから体験入部してたんだろ、お前」

「そうだったわ。まぁ、ミスは私みたいな完璧美少女JKにだってあるわよね!」

「ついに完璧じゃないって自称したな、お前」

「目指せ、友達百人斬り!」

「聞けよ、人の話。あと、それだと友達殺しちゃってるけどな。……まぁ、なに、挽回できるようにがんば」

「ブリーチだけに?」

「ちょっと何言ってるか分からない」

 



  

 こんにちは。諸刃剣です。今回もご一読ありがとうございました。

   

 次回はいよいよ最終回(きまぐれでスピンオフ的な何かはあるかもしれません)!


 なんやかんや全部作者の妄想だったけど、最後の最後は私の完璧美少女JKらしい一面が見られることでしょう!こうご期待ください!

 

 絶対に!見られる!よな!? なぁ、作者!?

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