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 私は完璧でも美少女でもありません。ただの女子高校生、16歳。諸刃剣(もろはつるぎ)と申します。さて、恐縮ですが、今日は私のつまらない一日を皆様にお届けさせていただきたいと思います。お中元やプレゼントみたいにありがちな社交辞令などではなく、本当につまらないものですので、少しでも面白くないと感じましたらすぐにページをお閉じいただいて結構です。むしろ私自身、こんな面白味のない人間の生活を晒すなど恥以外のなんでもないと最近思い始めている次第でして、なので、どんどん積極的にこの本を燃やすなりなんなり


 ――まてえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!

 


 っ……!はぁはぁ……!


 なんとかページ内に割って入れた……!


 読者の野郎共め!機動隊みたいにバリケード張りやがって……!ギャル委員長のヌード写真をバラまくことで9割方は何とか無力化できたが、かなりの数をこの手にかけてしまった……!


 おい!作者!やっぱり二話前で私のありがたいお叱りの言葉を削除してやがったな!それに何勝手に語り手の座を乗っ取ってやがる!帰れ!ここは私の世界なんだよ!主導権返せ!……あ!こら!泣きながら「ギャル委員長のお尻触らせて!」とか言いながら紙の角にしがみつくな!あれは、私のものだ!誰にも渡さん!帰れ!ふう……何とか取り返せた。


 ……こほん。


 えー皆様お待たせ。お見苦しい所をお見せしました。


 改めまして、私が、私こそが本作品の主人公、完璧美少女JK、諸刃剣だ。


 さっきの自己紹介文はもちろん私のアンチの読者が勝手に作者を買収して書かせた偽物だ。忘れてほしい。

 

 それでは早速正しい自己紹介を。


 完璧美少女JKとは……っておい読者、何で「えー」とかぶーたれてんだ!露骨に顔色を悪くするな!青ざめるな!え?何?まさかさっきの方が良かったとか、そんなことないよね?そうだよね?皆私の完璧な姿を見るためにこの小説を買ってくれたんだもんね。そうだもんね?


 コホン。


 えー、ではもう一度。


 改めに改めて、私は完璧美少女JK、諸刃剣だ。

 

 完璧美少女JKとは、成績運動神経容姿性格、とにかく全てが完璧な美少女JKのことを指す。

 

 つまりそれら全てが完璧な美少女高校生である私は、完璧美少女JKであるということだ。

 

 そして、完璧美少女JKは完璧であるがゆえに、全てのことを完璧にこなさなければならない。

 

 それはそう。

 

 歌を歌う時なんかでも。


「おーいギャル委員長、ペア組もうぜー!」

「磯●ー野球しようぜー、みたいなノリで言わないでください!あと大声でその名前で呼ばないでください!ペアを組んでほしいのなら、もっと直すべきどころがあるはずです!」

「おいの●太ー野球しようぜー!」

「そっちじゃありません!」


 五時限目。


 音楽の授業。


 来月行われる合唱コンクールの練習のため、二人一組になってパート練習を行えという、思春期の男女に課すにしてはなかなか、パート練だけにハートが痛みつけられる、ハードルの高い命令を音楽教師が要求してきたので、ペアを組むべく、私は先日もお世話になったギャル委員長の元へ向かった次第だった。うーん。ギャル委員長ってば。そんなに顔を赤くしちゃって。頬を染めてまで喜ばれると、私も照れちゃうなぁ。


「いえ……まったく染めていませんが、むしろ染まっているのは、仮に染まっているのだとしてもそれは全く別の感情ですが」

 

 ……しかし、私とペアを組めて有頂天、ギャル委員長風に言えばバイブスが上がっているところ悪いが、「話を聞いてください!」実際のところ、私の方はそこまで上がっていない。上がっているのはハードルだけだ。


 いや、別に私が歌うのが苦手だからだとか、そういう理由じゃない。もちろん私は完璧美少女なので歌に関しても完璧だ。むしろ歌って踊れる。


 しかし、私のように誰もかれもがそんなyou 出ちゃいなよ精神を持っているわけじゃない。人前で歌うのが苦手な人、嫌いな人、そういう人だっている。


 近年ではカラオケハラスメントという言葉まで生まれてきているが、まさにそうだ。


 職場の飲み会後のカラオケなどで、歌いたくない社員に歌うことを強要したり、歌わない社員に嫌がらせをしたりするなどのハラスメントを指す言葉で、それはもはや社会問題として扱われ、学校でも授業でそういうことはしちゃいけませんよと教えられている。


 が、ちょっと待ってほしい。


 実際の所はどうだ。

 

 社会に出る云々の前に、こうして学校が、いわば国側が、強制的に歌うのが嫌いな人間を歌わせるというハラスメントを行わせているではないか?


 別に授業で歌うこと自体を批判しているわけではない。


 歌うことは、少なくとも私は楽しいし、楽しくなくともいい経験にはなる。が、歌いたくない人に恥をかかせてまで人前で歌わせることを強制させるのはどうなのかということを、私は言いたい。


 合唱コンクールをやるならせめて何か救済措置を、例えば別の役割を作るとか、そういうことをしてくれてもいいのではないだろうか。


 リコーダーとかピアニカとか。


 小学校の音楽発表会とかそうだっただろう?何で中学や高校になってあいつらはクビになってるんだ。シンバルとか大太鼓とか木琴とかもあって結構楽しかっただろう?い、いや、決して私が過去、何か中学時代に合唱コンクールでトラウマを負っているから、彼らを再登場させてほしいとか言っているわけではなく!辛すぎる合唱コンクールの思い出を二度と繰り返さないために死ぬほど歌の練習をしなければならなかった過去があるわけではなく!ない!私は生まれた時から完璧美少女JKだ!そんな事実は決してない!


「何シャワー後の犬みたいに首をぶんぶん振っているんですか諸刃さん。いえ、何度でも言わせていただきますが、別に私、あなたとペアを組めることに喜びを感じて顔が赤く染まっているわけではありませんよ。頬が赤く染まっているのは怒り100%だからです。むしろこの手を赤く染めたくなっているところです。そしてもちろんバイブスも上がっていません」

「やめて!私は大仏じゃないって言ってるでしょ!中学の時はあまりにも音痴で、歌うたびにクラスメイトから黙ってろって言われて、黙ったら黙ったで大仏って陰口をたたかれてた……なんて、そんな過去ないって言ってるでしょ!私は大仏じゃない……大仏じゃない大仏大仏大仏大仏大仏南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経」

「悟りを開くどころか別のものが開いちゃってるじゃないですか!ものすごい闇のゲートが開いてるんじゃないですか!大仏よりも暗く重い思い出が諸刃さんの心の中に鎮座しちゃっているじゃないですか!やめてください!合唱コンクールだからって念仏を唱えないでください!分かりました!ペア組みます。組みますから!」

「ほんと!?私みたいなダメダメな子とペア組んでくれるの!?ありがとう!やっぱり私って完璧美少女JKよね!」

「トラウマが強すぎてキャラ崩壊してるじゃないですか!傲慢(ごうまん)なのか卑屈なのかどっちなのか分からなくなっちゃってるじゃないですか!いえ、ペアを組むのはまぁこの際仕方ないとして……その……」


 言って、ギャル委員長は何故か視線をあっちこっちに彷徨(さまよ)わせ始めた。


 何だろう?


 なんだかさっき失礼な台詞が聞こえて来た気がしたが、それはきっと聞き間違いか、もしくは噛んだんだろうから聞き逃してあげるとして、いったいどうしたんだろう。


 何か言いにくいことでもあるのだろうか。


 だとしたら、全然気にしなくてもいいのに。


 私は皆さんご存知(ぞんじ)完璧美少女JK。やれ今の若者はメンタルが弱いだのなんだのと、文句を言うことでしか自身の心をコントロールできない、他人のメンタルの脆弱(ぜいじゃく)さを指摘することで逆に自身の心の弱さを露呈(ろてい)してしまっているおじさんおばさん連中とは違って、私のメンタル管理の技術は本物なのだ。常人なら多少傷つく言葉でも、私のゴムみたいに柔軟なメンタルは全てを跳ね返すのだ。効かないねぇ。何故って?ゴムだから!


「いえ、その……他にペアを組む子はいないのか、と。諸刃さん。ペアを組むようにって先生が言った直後に、私の所に来ましたけど、もしかして諸刃さん、私以外クラスに友達いないんですか?」

「な、ななななななななななななななななななななな!なにをなにをなにをなにをおっしゃっていやがられるのですか!ちょちょちょちょ蝶園(ちょうえん)陽華(ようか)様!そんなわけないじゃないですかぁ!」

「効きまくりじゃないですか!全然ゴムじゃないじゃないですか!顔面の画風がピカソの『泣く女』みたいになってるじゃないですか!ゴム引っ張った時みたいにメンタル揺さぶられまくりじゃないですか!他人のメンタルの脆弱さを指摘することで逆に自身の心の弱さを露呈してしまっているおじさんおばさん連中じゃないですか!」

「ほ、ほほほ他にも友達がいるけど、蝶園様が一番大好きだから真っ先に駆け付けた次第に決まってるいるじゃないですか!あ、そういえば蝶園陽華って、ほんとに綺麗で覚えやすい名前でございますよね!」

「媚びを売っている証拠を示すために急に私の名前を思い出すのはやめてください!あ!ちょっと!ゴムみたいに絡みついて抱き着くのはやめてください!逃げませんから!離れてください!みんなこっち見てます!もう!そういうところが、友達がいない原因なんじゃないんですか!?」

「さて、ギャル委員長も声が出るようになったことだし、さっそく合唱練習頑張るぞー」

「無視しました……そして今までの悪行を全て無視した挙句、それを私のせいにしました……海賊みたいな人だ……」


 お前もう船降りろ、みたいな視線でギャル委員長がこちらを見てきているような気がするが、私はそんな人間ではないので、きっと気のせいか、もしくは勘違いだろう。何度でも言うが、私は完璧美少女JKだ。これまで様々な醜態を晒してしまったことはまぁ、一応認めるよ?百歩譲って認めるよ?しかし、その反面、それでも私は、作品の設定上、完璧美少女JKらしく明確な弱点がなかったのもまた事実だったはずだ。

 

 なのに、そんな中、いきなり弱点、それも友達が少ないなんてありきたりかつ残念過ぎる弱点が現れる?

 

 いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいいやですわ、奥さん。


 そんな今更な設定あるわけないじゃないですか!いくら壁の薄い部屋に住んでるくせにアニソン大熱唱して、隣の部屋にいた大学生のグループに大爆笑された作者と言えども、そこまで馬鹿なキャラクターを登場させるわけないじゃないですか(やめろby作者)!


 中学の時に勉強頑張りすぎて、つい浮かれて遠くの頭が良い高校を選んでしまい、そのせいで中学からの知り合いはほぼおらず、実は入学以降クラスではずっとぼっちでした、なんて、そんな事実を描写するわけないじゃないですか!あ、やべ!事実って言っちまった!なし!今の無し(お前もう船降りろby作者)!


「ちょ、諸刃さん。首振って髪の毛で私の顔をビンタするのはやめてください。痛いです。あと、そろそろ抱き着くのをやめてもらっていいですか?それと……抱き着くのは百歩譲っていいとして、何でお尻を握ってるんですか?何で揉んでるんですか?」

「あ。ごめん。サイズ85のお尻が気持ち良くてつい」

「具体的な数値を出してこないでください。そんな澄んだ瞳で誠実な正直者の振りをして変態的な感想を述べないでください。それと、謝るならちゃんと手を離してください。何あと一口みたいに名残惜しそうに揉み続けてるんですか……はぁ……まぁいいです。さっさと練習しましょう。……あ、でも、私、その……」

「…………?」


 私がスカートから手を離すと同時、ギャル委員長はまたしても視線を彷徨わせ始めた。


 しかし、さっき私に一切根拠のない疑いをかけてきた時と違って(ほんとに失礼な、何の根拠もない疑惑だった)今度は何故か顔を赤らめ、もじもじスカートを押さえながら彷徨わせている。


 ……ははーん。


 なるほどなるほど。


 そういうことね。


 あー分かった。私、完璧美少女JKなんで、わかっちゃいました。


 要するに、さっきは他のクラスメイトの手前、嫌と言うしかなかったが、実は私にお尻を揉まれるのが気持ち良くて、私と授業後にどこにでもいいから二人きりになれる場所に行きたい、とそういうわけか。


 うんうんうん。それならそうと言ってくれればいいのに。もう、恥ずかしがり屋さんだなぁ。


 ……なんてまぁ、そんな完璧美少女らしからぬ冗談は置いておいておくとして(ほんとに冗談だよ?)、改めて、なるほど。そういうことか。


 以前ギャル委員長とスポーツテストでペアを組んだ時、ギャル委員長は自分のことを恥ずかしがり屋だと公言していた。


 そして人前で歌を歌うという行為は、恥ずかしがり屋が躊躇してしまう行為代表と言ってしまってもいいものだろう。


 いくら真面目でいい尻を持っているギャル委員長といえど尻込みしてしまうのも分かるというもの。

頬を染め、スカートの裾を指でつまみ、大きいお尻をぴょこぴょこ揺らし、上目遣いでもじもじしてまうのも、無理からぬことだ。


 ……うーん。


 というか、うん。


 なぁ、この頃感じていることなのだが、作者、お前、明らかにギャル委員長のことを贔屓(ひいき)してないか?


 控え目だが、基礎スペックが高いお嬢様、しかし恥ずかしがり屋ってほぼ完璧じゃないか。完璧な萌えキャラじゃないか。おい作者、何で私には及ばないにしても完璧に近い、しかも系統も全く別方向のキャラを作ってるんだよ!これじゃ私の人気が半減するだろうが!私のグッズが売れなくなるだろうが!いや……決してビビってるってわけじゃないけど!別に好きにやってもらって構いませんけど!?でももう少し私のいいところをフィーチャーしてくれてもいいんじゃないですかね!?作者様!


 ……と、いけないいけない。これじゃ完璧美少女JKの私が、一切余裕のない、心貧しいやつだと、読者様にあらぬ誤解を与えてしまう。このことについてはあとで作者を脅……話し合いで解決するとして、今はギャル委員等の方を何とかする方が重要だ。


 私はギャル委員長の肩とお尻を優しく撫でた。そして安心させるように、百円どころかどっかの国の予算くらいは価値のありそうな笑顔で、ギャル委員長に微笑みかける。蝶園だけに、その笑顔100兆円!


「大丈夫だよ。ギャル委員長。緊張しなくて。周りもみんな歌ってるんだから、私にしか声、聞こえないよ。だから安心して。思いっきり声出していいんだよ?ほらほら!」

「ちょ、顔近いです……というか、何故だかよくわかりませんが、さっきまでハラスメントを語っていた人が、今とんでもないハラスメントをしてきているような気がします!二種類のハラスメントを同時にされているような気がします!あと、またさりげなくお尻を揉まないでください。そんなに触りたいなら自分の立派なのを触ってればいいじゃないですか!」


 緊張をほぐそうとしてあげたのに、何故か不満気な顔を浮かべるギャル委員長。あれ、おかしいな。「11」とキーパッドに入力したスマホの画面をこちらに向けているのだけど。このまま0を売ってしまえばポリスメンが駆けつけてしまうのだけど。まぁ、きっとそんなことはなくて、「11」つまり「良い」という言葉の裏返しなんだろう。しかし、一応何かあってはまずいので、ここらで流石に手を引いておくとするか。文字通りお尻から手を引いておくとかするか。


 が、どうやらそんな私の心配はやはり杞憂だったらしい。


 ギャル委員長は溜息(?)を吐いてスマホをしまうと、


「はぁ……手を離す直前、ふとももを撫でるように触られたのは不服ですが、しかしうん。でも、そうですね。諸刃さんの言う通りかもしれません。いえ、手をワキワキさせないでください。実はお尻を揉まれるのが気持ちいいという諸刃さんの妄想の方に同意したわけではなないです。そうではなくて、皆さんも歌ってるんだから緊張しなくていいよ、と言う方です」

「あ、やっぱりギャル委員長、人前で歌うのが恥ずかしかったんだ。それならもう少し私が緊張をほぐし――」

「そうですよね。皆さん歌ってるんですから、気にしなくていいですよね。実は、私、諸刃さんの見立て通り、昔から()()()()()()()歌うのが下手って言われて、これまで歌うのを控えてきたんです。けど、これだけ皆さん歌ってるんです。多少私が歌った所で私の歌なんて聞こえっこないですよね。……ありがとうございます。諸刃さん。諸刃さんはいつも私に勇気を与えてくれますね!」

「え?」


 いや、別に私はそういう意味で言ったんじゃないんだが……。人前で歌を歌うのがギャル委員長は苦手だろうと思ったから、緊張を和らげてあげようという100%の善意でお尻を揉んであげようとしただけなのだが……というか、今、歌下手って……。


「あの、ギャル委員長……?さっきの歌が少し下手っていうのは」

「では、歌います!」

「ちょっと!?」


 突然だが、私は自他ともに自分を完璧だと思っている。


 そしてそれは事実で、皆それを知ってくれているはずだ。


 が、そんな私でも今回ばかりは、この瞬間だけは、自分の完璧さに疑いを抱かざるを得なかった。

そう。

 

 何故なら――


「ぼえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!」


 ――そのマンドラゴラの叫びの如き、もはや歌声と形容するのも歌に失礼な絶叫に、強靭な、完璧な肉体を持つ私と、歌い手のギャル委員長を除いて、音楽室にいたクラスメイト全員と先生が、一瞬にして気を失ってしまったのだから。


「ど、どうでしたか?」

 

 周りでクラスメイトが「イ、イヤホン……」「耳栓……」「馬の耳をくれ……」などと呟いているのも気が付かないくらい緊張しているのか、歌い終わったギャル委員長は、そう私に感想を求めて来る。

 

 …………。


 うーん。そうだな。

  

 ……うん。


 私はしばらく目を瞑り考え、そして、あのガキ大将を連想しつつ、言った。


「ギャル委員長、野球ならいつでも付き合うよ!」

「え?どういう意味ですか?」

 

 その後、あれはギャル委員長の歌声だと先生に説明しても聞き入れてもらえず、何故か音楽の先生から私がふざけて大声を出したと叱られました。


 ………まぁ、私の物はギャル委員長の物ってことで、今回はこれで良しとしよう。


 

 ご一読ありがとうございました。

 私はギャル委員長こと、蝶園陽華です。できれば名前を覚えて帰ってくださいね。


 さて、今回は楽しんでいただけましたか?私は委員長の仕事が忙しくてまだ読めていないんですが、皆さんが少しでも笑顔になってくれたのなら嬉しいです。


 そういえば、この前、友達になった完璧美少女JKこと、諸刃さんをカラオケに誘ってみました。

 

 諸刃さんは無駄にいろんなことに才能――じゃなかった、とっても凄い方なので、カラオケも絶対来てくれると思ったのですけど、何故か断られました。どうしてでしょうか?理由を訊いても、「私、まだ、生ぎたい」と、どこかのハナハナの実の能力者みたいなことを涙混じりに言って来るだけですし……。まぁ、まだ知り合って浅いですし、歌を見せあうのは恥ずかしいのかもしれませんね!これからどんどん誘っていきたいと思います!


……あれ?何故か録音ブースで諸刃さんが泡を吹いて倒れているような?

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