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THE CAFE  作者: 伊藤秀幸
1/1

何も起きない、カフェを舞台とした小説です

THE CAFE

梶原慶一

3月も半ばに差しかかった水曜日

雨が降っている

p.m6:30

慶一は独りぼんやりとしている

珈琲を飲み終わり、下唇を噛んでいる

この男の癖である

年の頃は40代前半に見える

家に帰れば食事は用意されている

時計に目をやった。帰宅するのが面倒だと思った

家族生活に不満は無い

考えるとも無く思索している

外は冷えるし、多少の気だるさはある

それが仕事上の疲れなのか、ストレスなのか判断がつかないが、そんな事に

頭を回すのも馬鹿馬鹿しかったし30分もすれば回復するだろうと思っている

Cohibaに火を点ける

ゆっくりと思考する

外に目をやると、男性3人が傘を持って、足早に歩いている

外食する気は無い

慶一は車に乗りエンジンをかけた

忘れた物がないか目で確認した

音楽をかける気分では無かった

もっともカーコンポは1年以上前に壊れている

携帯で鳴らす事にも不満は無い

家までは30分といった所である

車の中では思考はしない

20時も過ぎると、ロクな考えは浮かばない

国道を事務的に走っていった

興味の有る無しに関わらず軽い相槌しかしない

それで構わないと思っている

特別な哲学は無い

気がついた頃にはそんな対応になっていた

無口な方だとは思っているが、意思を伝える程度には会話をした

P.m3:00

慶一は身支度を終えて外に出る

雨が降っている

強風と言うわけでは無いが風が少しある

グレーのコートを羽織っているが、少し寒くマフラーを取りに戻り車に乗る

傘は必要ないだろう

街に向かう

ガソリンが少なかったが、帰りにでも入れるつもりでいた

目的は決まっていなかったが、書店に行って小説を買いたかった

雨の日の休みの日は嫌いではない

冬の雨の日は、何処と無く異世界を思わせる

朝から何も口にしてなかったが、いつもの事である

食事と言うものにあまり興味を持ってない

もちろん年相応に色んな料理を食べて来たが、胃に入ってしまえば一緒だと考えている

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