公僕戦線―地域振興課 特命係の極秘日誌―

地方都市・戸隠市役所に存在する窓際部署「地域振興課特命係」。そこは、リストラ予備軍のベテラン職員ばかりが集められた、薄暗い部屋だった。

しかし、その実態は、地域の「負の感情」や「歴史の因縁」が具現化した怪異「地脈異形（ちみゃくいぎょう）」から、街の平和を秘密裏に守る公務員エージェントチームだった。

主人公の若手職員・西田啓太は、配属初日に、地盤操作、古文書の真言、戸籍の鎖といった行政権限を応用した異能を持つベテランおじさんたち（田中課長、佐藤、渡辺、小林、鈴木）の戦いを目の当たりにする。

「今日中に経費精算しないと世界が滅びる」――。おじさんたちは、財政破綻寸前の市役所という限界の舞台で、公務員としての地味な知識と、命を懸けた「公僕の覚悟」を武器に、誰にも知られずに街を守り続ける。これは、定時後の会議室で繰り広げられる、報われないおじさんたちの壮大な戦記である。