表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「転生者レースグランプリ ~理不尽な異世界一周馬車レース~」  作者: nekorovin2501


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/12

第3話: 腹ペコと妨害のスパイス

森の闇を抜けた瞬間、俺の目の前に広がったのは、黄金に輝く丘の遺跡だった。石柱が夕陽を浴びてキラキラ光り、まるでファンタジーRPGのボスエリアみたいだ。俺、細山タカシの「地図予測スキル」が、ここが最初の通過ポイントだと告げている。馬車を止めて、荷台から飛び降りる。佐藤がゴブリン相手に棒を振り回して時間を稼いでくれたおかげで、なんとか到着できた。

「よし、スタンプ押すぞ! みんな、馬車守ってて!」

俺が遺跡の中央にある石碑に駆け寄ると、魔法陣みたいなものが浮かび上がり、ガチャンと金属音が響く。馬車に刻まれた「通過証明」の刻印が光った。よっしゃ、1ポイントゲット! でも、喜んでる暇はない。食料がもう底をついてる。朝から何も食べてない俺たちの胃袋は、まるでモンスターの咆哮みたいにグーグー鳴ってる。

「タカシくん、近くに村あるよね? 早く行こうよ、死んじゃうよ~!」

鈴木さんが、顔を真っ青にして訴える。モブの田中と山本も「腹減った!」と騒ぎ、佐藤はゴブリンから逃げ戻ってきてヘトヘトだ。俺の地図予測スキルが、遺跡から西に1キロの場所に小さな村を示してる。そこなら食料と水が手に入るはず。

「よし、村まで一直線だ! 馬車、飛ばすぞ!」


シーン転換:グループB(ケンジ視点)

「ハハッ! タカシのヤツ、森でゴブリンに絡まれて足止めだろ? 俺たちがトップだぜ!」

ケンジの馬車は、平原を疾走し、すでに遺跡のスタンプをゲット済み。馬車強化スキルで車輪がまるでロケットみたいに唸り、モブの高橋、斎藤、松本、中村は荷台で大はしゃぎだ。強化された馬車は、木製なのにまるで戦車みたいな頑丈さで、道の石ころを弾き飛ばす。

「ケンジ、村見えてきたぞ! でも、なんか怪しい雰囲気だな……」

斎藤が指差す先、村の入口には木の門があって、怪しげな男たちがたむろしてる。交易商らしき服だけど、目がギラギラしてる。ケンジはニヤリと笑う。

「へっ、ぼったくり商人の匂いだな。俺の馬車でビビらせて、値引きさせてやるよ!」

馬車をド派手に村の広場に乗り入れると、商人たちがざわつく。ケンジは荷台から飛び降り、胸を張って交渉開始。「パンと水、肉もよこせ! 俺たちの馬車、見たろ? ケチな真似すんなよ!」

だが、商人のリーダーが不敵な笑みを浮かべる。「お客さん、いい馬車だねえ。けど、この村の物資は高いぜ。金貨10枚でパン1個、どーだ?」

「は!? ふざけんな!」

ケンジが怒鳴るが、商人たちは動じない。背後で、別の馬車が村に到着。ユウキのグループCだ。ユウキが眼鏡を光らせ、冷静に言う。「ケンジ、騒ぐな。俺のスキルで食料は足りてる。交易は俺に任せろ」


シーン転換:グループC(ユウキ視点)

ユウキの馬車は、川沿いのルートを進み、遺跡のスタンプを押して村に到着。食料生成スキルのおかげで、グループCのモブ――岡本、林、加藤、藤田――は腹いっぱいだ。パンと水を生成し続けるユウキは、まるで移動式コンビニ。モブたちは「ユウキ様!」と崇拝モードだ。

「ユウキさん、この村で何か情報手に入るかな? 次の通過ポイントの話とか」

岡本の問いに、ユウキは地図を広げる。「次のポイントは山岳都市。川沿いなら3日で着くけど、食料以外の情報が必要だ。商人から聞き出そう」

ユウキは商人のリーダーに近づき、交渉開始。「パンと水はいらない。次のルートやモンスターの情報を教えてくれ。金貨なら5枚出す」

商人がニヤリ。「情報ねえ……山岳ルートにはドラゴンがいるぜ。危険だけど、近道だ。金貨10枚なら詳しく教えるよ」

ユウキは内心で舌打ち。ぼったくりだ。でも、情報は命綱。渋々金貨を渡すと、商人が地図にドラゴンの巣を示す。「運が良ければ避けられるぜ。ま、王様たちが観戦楽しむために、ドラゴンわざと暴れさせてるけどな!」

「王様!? あのクソくらえの王様たちが!?」

ユウキの冷静な仮面が一瞬崩れる。理不尽すぎる。このレース、ただのゲームじゃない。俺たちの命を弄んでるんだ。


シーン転換:グループD(ショウタ視点)

ショウタのグループDは、丘陵地帯を抜け、遺跡でスタンプを押した後、別の村へ向かう。妨害耐性スキルのバリアが、馬車をゴブリンの投石や落石から守り、モブの石川、佐々木、山田、吉田はショウタに全幅の信頼を置く。

「ショウタ、この村で食料買えるかな? 金貨ほとんどねえぞ」

佐々木が不安げに言う。ショウタは無表情で答える。「買う必要ない。狩る」

村の外れの森で、ショウタは単独で鹿のようなモンスターを仕留める。妨害耐性スキルは戦闘にも応用でき、モンスターの爪を弾く。モブたちが「すげえ!」と騒ぐが、ショウタは冷たく一蹴。「騒ぐな。食料確保したらすぐ出発。タカシのグループが近い」

遠くで、タカシの馬車が村に近づく音が聞こえる。ショウタの目が鋭くなる。「このレース、妨害が鍵だ。俺が守る分、誰かが仕掛ける」


クライマックス:初の本格妨害

タカシのグループが村に到着。だが、商人たちの態度が怪しい。「お前ら、遅かったな。パンと水、残り少ないぜ。金貨15枚だ!」

「15枚!? さっきケンジには10枚って言っただろ!」

俺が叫ぶと、商人が肩をすくめる。「需要と供給だよ。遅いヤツは高く払うのさ」

そこに、ケンジの笑い声。「タカシ、遅えぞ! 俺の馬車強化スキルで、村の物資買い占めたんだよ!」

「てめえ、ケンジ! それが妨害か!」

怒りが爆発するが、鈴木さんが泣きそう。「タカシくん、食料ないと死んじゃうよ……」

その時、王様たちの観戦席が魔法のスクリーンで映し出される。太った王様がワインをこぼしながら爆笑。「おお、妨害きた! 買い占めとは渋いね! さあ、飢えたグループはどうするかな?」

理不尽すぎる。俺は地図予測スキルで、村の裏に隠れた倉庫を見つける。「みんな、商人騙して倉庫から食料奪うぞ! 奴隷になるよりマシだ!」

夜の闇に紛れ、俺たちは倉庫に忍び込む。だが、そこにはケンジが仕掛けた罠――魔法の爆発トラップが! ドカン! と爆音が響き、馬車が炎に包まれる。佐藤が叫ぶ。「タカシ、逃げろ!」

このレース、甘くねえ。腹ペコのまま、俺たちは次のポイントへ突き進むしかない!

(つづく)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ