第12話: ゴールの門と、理不尽の続き
王都の黄金の門が、朝陽に輝く。俺、細山タカシのグループは、ボロボロの馬車でゴールラインへ突き進む。ケンジの「破壊の魔弾」で馬車は半壊、田中は意識を失い、山本は毒魚の後遺症で動けず、鈴木さんは恐怖で泣き崩れ、佐藤だけが血走った目で馬を鞭打つ。地図予測スキルが叫ぶ――「ゴールまで100メートル。妨害と裏切り、最大警戒」。あと少しだ。奴隷の運命を跳ね除けるんだ!
「タカシ、行くぞ! 絶対勝つ!」
佐藤の叫びに、俺は頷く。「ああ、仲間を救う! ゴールだ!」
だが、頭上の王様たちの観戦スクリーンが浮かび、太った王様がワインを振り回して哄笑。「おお、フィナーレだ! 誰が勝つ? 誰が奴隷? 最高のショーだ!」
「ふざけんな! 俺たちの命で遊ぶな!」
叫びは風に消える。背後で、ケンジの銀光る馬車が猛追。ユウキの同盟船が並走し、ショウタの孤立した馬車がケンジを牽制する。ゴール目前、理不尽なレースの結末が迫る。
シーン転換:グループB(ケンジ視点)
「ハハッ! ゴールは俺のモンだ! タカシ、ユウキ、まとめてぶち抜くぜ!」
ケンジのグループBは、馬車強化スキルで銀光る馬車を爆走させる。モブの高橋、斎藤、松本、中村は、ケンジのチャラい自信に振り回されつつ、勝利を確信。だが、魔弾の連射で金貨を使い果たし、馬も限界だ。
「ケンジ、馬がヤバい! 止まりそう!」
高橋の叫びに、ケンジはニヤリ。「なら、最後の妨害だ!」
ケンジは最後の魔弾を装填。タカシの馬車を狙う。「これで終わりだ、タカシ!」
シーン転換:グループD(ショウタ視点)
「全員、黙れ。ゴールは俺が取る」
ショウタのグループDは、妨害耐性スキルでケンジの魔弾を防ぎ、単独でゴールへ突進。モブの石川、佐々木、吉田は、ショウタの冷徹さに怯え、裏切りの傷が癒えない。山田は海で死に、吉田は再び裏切りを企む。
「ショウタ、俺、ケンジに寝返る!」
吉田がケンジの馬車に信号を送るが、ショウタのバリアが吉田を弾く。「裏切り者は死ね」
ショウタの馬車がケンジに突っ込み、魔弾を牽制。「タカシ、ユウキ、ゴールしろ。俺がケンジを止める」
シーン転換:グループC(ユウキ視点)
「タカシ、ゴールだ! 同盟で勝つ!」
ユウキのグループCは、食料生成スキルで水を生成し、タカシの馬車を援護。モブの岡本、林、加藤、藤田は、ユウキの冷静さに頼りきり。だが、馬車は海獣のダメージでガタつく。
「ユウキさん、ケンジの魔弾が!」
岡本の叫びに、ユウキは眼鏡を光らせる。「俺の水で魔弾を流す! タカシ、ルートを!」
タカシの地図予測スキルが、ゴールへの最後の道を示す。だが、ケンジの魔弾が飛んでくる。ユウキが水を生成し、魔弾を押し流す。「タカシ、今だ!」
クライマックス:決着と理不尽の結末
王都の門前、4グループの馬車が激突。タカシとユウキの同盟馬車が並走、ケンジが魔弾を連射、ショウタが単独で突進。だが、王様のスクリーンが最後の理不尽を告げる。
「フィナーレだ! ゴールに魔法障壁を追加! 突破したグループだけが勝者!」
黄金の門に、光の障壁が輝く。タカシの馬車が突っ込むが、障壁に弾かれる。「くそっ、なんだこれ!」
ユウキが水を生成し、障壁を弱める。「タカシ、俺のスキルで道を開く!」
ショウタのバリアが、ケンジの魔弾を防ぎ、タカシを援護。「ゴールしろ、タカシ」
だが、ケンジのモブ・中村が裏切り、ユウキの馬車に爆破弾を投げる。「ケンジ、俺も勝ちたい!」
ユウキの馬車が爆発で傾き、岡本が海に落ちる。「ユウキさん、助けて!」
「岡本!」
ユウキが叫ぶが、岡本は波に飲まれる。ショウタのモブ・吉田もケンジに寝返り、ショウタの馬車を攻撃。「ショウタ、俺は奴隷にならない!」
ショウタのバリアが軋み、馬車が崩れる。タカシは地図予測スキルで、障壁の弱点を捉える。「佐藤、全速力だ!」
佐藤が鞭を振り、ボロボロの馬車が障壁を突破。ゴールの門をくぐる瞬間、ケンジの最後の魔弾が直撃。だが、ユウキの水とショウタのバリアがタカシを守る。
「ゴール!」
タカシのグループAが、僅差で勝利。鈴木さんが泣き崩れ、佐藤が叫ぶ。「やった! 奴隷じゃねえ!」
だが、ケンジ、ユウキ、ショウタのグループは門の外。スクリーンで王様が宣告。「敗者は奴隷! 鉱山で永遠に働け!」
ケンジが叫ぶ。「ふざけんな! タカシ、てめえ!」
ユウキは眼鏡を外し、うなだれる。「岡本、ごめん……」
ショウタは無表情。「奴隷か。ふん」
エピローグ:反旗の芽
王都の広場で、タカシのグループは自由を獲得。田中は医者に運ばれ、山本は回復。だが、王様たちが新たな宣告。「次回レース、準備中! 新しい転生者で、さらに派手にやるぞ!」
「次!? ふざけるな!」
タカシが叫ぶと、ケンジ、ユウキ、ショウタが広場に連行される。奴隷の鎖をかけられながら、3人がタカシを見る。ケンジがニヤリ。「タカシ、次はお前を潰すぜ」
ユウキが囁く。「この世界、変える方法を探すよ」
ショウタが冷たく言う。「王様を殺す」
タカシは拳を握る。この理不尽な世界、変えてやる。仲間と共に、反旗を翻す日が来る。
(完)