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第10話: 海の絶望と、過去の影

海の咆哮が耳をつんざく。俺、細山タカシのグループは、島嶼部の「古塔」を崩落の中なんとか脱出し、スタンプを押した。だが、馬車はボロボロ、田中の足は壊死寸前、山本は毒魚の後遺症でフラフラ、鈴木さんは恐怖で泣き崩れ、佐藤だけが必死に馬を操る。地図予測スキルが最終ルートを示す――大陸を囲む外側海を一周し、ゴール地点「王都の門」へ向かう。だが、この海は地獄だ。黒い波がうねり、嵐が船を揺らし、海獣の咆哮が響く。

「タカシ、船が持たねえ! 馬車、沈むぞ!」

佐藤の叫びに、俺は船の舳先を握る。「沈む前にゴールする! 田中、山本、持ちこたえろ! 奴隷になるよりマシだ!」

だが、頭上の王様たちの観戦スクリーンが浮かび、太った王様がワインをこぼしながら哄笑。「おお、海周回! 嵐と海獣で最高のフィナーレだ! どれだけ生き残るかな?」

「ふざけんな! 俺たちの命で遊ぶな!」

叫びは波に消える。地図予測スキルが警告を発する――「巨大海獣クラーケン、複数接近。裏切りと妨害に注意」。やばい、グループ全員がここで潰し合う気か?


シーン転換:グループB(ケンジ視点)

「ハハッ! 海なんて俺の馬車には関係ねえ! ゴールまでぶっ飛ばすぜ!」

ケンジのグループBは、馬車強化スキルで船をチューンナップ。銀光る馬車は、波を切り裂く戦艦のようだ。モブの高橋、斎藤、松本、中村は、ケンジのチャラい自信に振り回されつつ、ゴールを確信。

「ケンジ、でも嵐がやばいぞ! 船、傾いてる!」

高橋の叫びに、ケンジはニヤリ。「俺のスキルで船を強化済みだ。海獣だろうが嵐だろうが、ぶち抜く!」

だが、遠くでタカシとユウキの同盟船が並走。ケンジは目を細める。「あの同盟、邪魔だな。よし、妨害だ!」

ケンジは魔法の火炎弾を船から発射。タカシの船を狙うが、ショウタの船が横から現れ、妨害耐性バリアで弾く。「ショウタ、てめえ!」


シーン転換:グループD(ショウタ視点)

「全員、黙れ。敵が動いてる」

ショウタのグループDは、妨害耐性スキルで海獣の触手を防ぎ、船を進める。モブの石川、佐々木、山田、吉田は、ショウタの冷徹さに怯えつつ従う。だが、吉田の裏切りが尾を引き、佐々木も限界。「ショウタ、俺、こんなレース無理だ! 降りる!」

「降りたら奴隷だ。死ね」

ショウタの言葉に、佐々木が震える。だが、嵐の中で船が大きく傾き、海獣の触手が甲板を叩く。ショウタのバリアが触手を弾くが、モブの山田が触手に絡め取られる。「ショウタ、助けて!」

「遅い」

山田が海に引きずり込まれる。ショウタの目が冷たく光る。「ゴール優先。動け」


シーン転換:グループC(ユウキ視点)

「タカシ、船を並べよう! 同盟で海獣を乗り切る!」

ユウキのグループCは、食料生成スキルで水とパンを生成し、タカシの船と並走。モブの岡本、林、加藤、藤田は、ユウキの冷静さに頼りきり。だが、嵐の波で船が揺れ、馬車が沈みそう。

「ユウキさん、海獣が! 船が壊れる!」

岡本の叫びに、ユウキは眼鏡を光らせる。「俺の水で海獣を押し流す! タカシ、ルートを!」

タカシの地図予測スキルが、嵐の中の安全ルートを示す。だが、ケンジの火炎弾が飛んでくる。ユウキが水を生成し、火を消す。「ケンジ、やりすぎだ!」


クライマックス:絶体絶命の海戦

外側海の嵐の中、4グループの船が激突。タカシとユウキの同盟船が、海獣の触手を避けながら進む。ケンジの船が火炎弾を連射し、ショウタの船がバリアで応戦。だが、王様たちのスクリーンが新たな理不尽を告げる。

「よし、盛り上げるぞ! 海獣を10倍強化!」

巨大クラーケンが現れ、船を叩き潰す。タカシの船が傾き、田中が荷台から落ちそうに。「タカシ、俺を置いてけ!」

「ふざけるな! 仲間は見捨てねえ!」

その瞬間、過去の記憶がフラッシュバック。修学旅行のバスの中、田中が俺に笑いかける。「タカシ、いつも助けてくれてサンキューな」。あの笑顔を、俺は守りたい。

ユウキが水を生成し、クラーケンを押し流す。ショウタのバリアがタカシの船を守るが、ケンジの火炎弾が直撃。佐藤が叫ぶ。「タカシ、馬車が燃える!」

ケンジのモブ・中村が裏切り、タカシの船に爆破弾を投げる。「ケンジ、俺もゴールしたい!」

ショウタのモブ・佐々木が海に飛び込み、ケンジの船を揺らす。「ショウタ、俺も裏切る!」

王様たちの哄笑が響く。「裏切り! 海獣! 最高のフィナーレだ!」

タカシは地図予測スキルで、嵐の隙間のルートを見つける。「ユウキ、ショウタ、協力だ! ゴールまで突っ走る!」

だが、クラーケンの触手が船を絡め、馬車が海に沈みそう。鈴木さんが泣き叫ぶ。「タカシくん、もうダメだよ……奴隷になるよ……」

「諦めるな! 俺たちは勝つ!」

理不尽な海の試練の中、俺たちの船はゴールへ向けて突き進む。過去の絆と、奴隷の恐怖が、俺を突き動かす。

(つづく)

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