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EP. 6 表と裏

レジスタンス2nd、大空翔子。彼女の猛攻は、1分間も続いた。もしくは、1分間()()続かなかった。

......教師の、倒れる音を終了の合図に。

「......嘘」「ありえない!」「あの最強教師が......倒れるなんて......」「なにがあったのさ!全然見えなかったんだけど〜」そこら中から絶句の声が聞こえる。

誰より驚いているのは教師であった。「何が、起こったのだ......」彼の身に何が起こったのか、彼自身ですらわかっていない。大空翔子は、それだけの速さだった、ということだ。彼女の動きを捉えられたのは......

ほんの一握りの実力者のみ、であった。


------


まさかの出来事。だが、教師はすぐに立ち上がっていた。ええぇ......まあ、俺が計測できない、なんてことにならなくてよかった。


時間はどんどんと過ぎていく。俺の番は、すぐそこになっていた。......ちなみに大空の後に計測を受けた生徒たちは結局教師に攻撃を当てることはできていない。やっぱバケモノだわ。

「次、日村翠」「はい。」いつもの作り笑顔で応える。”大空よりちょっと弱いけど他よりは強い”......よし、これで行こう。

さあ、スタートだ!


------


「あぁ......やーっと抜け出せた......」疲労困憊、本っ当に疲れた。計測より疲れたんだけど。

......私があの教師を倒した直後、計測が終了したであろう生徒たちが押し寄せてきた。......デジャヴ?抜け出すのに死ぬほど苦戦し、時間が経ってしまった。

やっと広いところに出られた。ほんっと疲れた。ちょうどいいところに魔空がいる。そしてその視線の先には......某教師と戦おうとしている、日村がいた。

さて、どのくらい戦えるのか、見ものね。


「用意、はじめ!」合図と同時に動き出す日村。「......え」その手に握られていたのは、どこかに隠し持っていたのであろう()()()。ナイフに特段驚くことはない。わたしが驚いたのはそのナイフ捌きである。流麗。今まで見たことがないほどに綺麗なナイフの使い方だった。そして某教師と互角に渡り合っている。ナイフを紙一重で避ける教師、その教師の攻撃を受け流す日村。周りの視線は、またもやあの場に釘付けになっていた。......なかなかの力じゃないの。最低限、ではあるわね。


......なんて考えは、数秒で覆される。


------


「......先生、そろそろ全力でやっていいですか?」「......は?」目の前で困惑した声が聞こえる。これが本気だと思われていたのなら不本意だ。まだまだ()()は隠し持っている。

とりあえず、1枚の手札(ナイフ)でやれる全力を魅せてやる!


教師の攻撃を回避し、攻撃姿勢に入る。今までの攻撃とは違う、一撃。それはこの場にいる誰にも捉えることのできないモノ。観戦している奴らからしたら何が起こったのかわからない。これなら俺の実力がバレることはないだろう。


神速の一撃(ソニックスタブ)


教師は、急な衝撃に困惑の表情を浮かべる。そして、膝をつく。「ありがとうございました」そんな言葉を吐き、俺はその場を立ち去る。久しぶりにこんなに長い間動いたな。()では一瞬で仕事を終わらせちまうからな......ああ、そうだ。


そろそろ......俺、いや()も動かなければ。


------


「......なあ。あいつが今何したか......見えたか?翔子。」途切れ途切れに、魔空が尋ねてくる。

「なんとなくは、見えた......けど。」彼の今の攻撃は、一見ただの刺突。だが速さが、段違いであったのだ。だから、常人......それこそ隣の魔空などは、視界に捉えることすら叶わない。わたしは音速で飛び回る経験をしているので、見ることができた。だが。

「ねえ今何が起きたの?」「ナイフの『能力』じゃないのか?」「見えなかったんだけど!」「でも膝をつかせた程度だったら大空とかいう奴の方が強いんだろうな。」困惑や憶測が飛び交う。


あなたは、どれだけの力を持っているというの?......日村......翠。


------


『能力測定』は終了した。ちなみに俺が最後だったらしく、大空の時よりギャラリーが多かった。となれば、人が押し寄せてくるのは当たり前で......デジャヴ。

「にーげよっ!」掛け声と同時に、地を蹴り跳躍。この後は帰宅して良いと言われているので、4階の教室に窓から入り、荷物を取って足に力を込める。

このまま家までぶっ飛ぶとするか。「いち、にの、さん!」俺はロケットのように、我が家目掛け発進した。


()()()()も、溜まってきている。急がなければ。


やっと着いた。私は鍵をかけ、いつもの隠し部屋へと向かう。金庫のパスワードを入れ、さらに隠しコマンドを入力する。本棚が開き、私は仕事部屋に足を踏み入れる。仕事用のスマホを取り出し、仕事の件数を確認する。......16件。それも今日まで。うん、無理!私一人では流石に無理だ。

「......と、言うことで」窓を開け、私は指を鳴らす。数日ぶりである。来るか少し心配だが......

爆音が聞こえる。地獄耳だなぁ。たぶんあいつと私の距離、


国一個分、離れてるぞ?

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