表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

98/150

第九十七話 操縦には慣れが必要


 ……ほう、これがアクィラか。見た目としては飛行機に近いのかな? 確か攻撃と速度に長けるんだったっけ? となると装甲には期待しない方が良いかもな。それじゃあ性能を確認する前に、武器パーツを装着させてみよう。そもそもどこにどう装着されるか気になるや。


「ルピウス、アクィラにクラウンレーザーを装備させてくれるか?」


「任せて! ……うん、これで装備出来たよ」


 クロードはクラウンレーザーが装備されたアクィラを見た。操縦席に当たる部分にはめ込むようにして装備されたクラウンレーザーは胴体部分の下側に発射口が構えられているようだ。視界の邪魔にならない範囲で装飾品が散りばめられている。恐らくこれが武器パーツの名前の由来に違いない。


 ……やっぱり武器パーツがあるのと無いのとでは全然違うね。かっこよさが段違いだわ。これは性能も期待して良いかもしれないね。それじゃあステータスを確認しよう。


――

搭乗E・L・K

アクィラ

攻撃 230 速度 190 装甲 1400

クラウンレーザー(射)

拡張スロット:【レーザースパイラル】

攻撃+10

――


 おぉ! 思ったより強いぞ! 空戦用のE・L・Kがあとどれだけ種類があってどれくらい使用可能になるのかは分からないけど、別にこれひとつで充分なスペックだよ。最近そこまで速い機体を操縦していないから最初は混乱するかもしれないけど、この数値を見ると俄然操縦してみたくなって来たな。


「……ルピウス! トライアイズって言うモンスターがどんな奴か知ってるか?」


「あぁ、知ってるよ。3つの眼を持つカラスだよね。光るものを集める習性と血を好む習性からこのモンスターの討伐すると長く生きられるなんて信じられているモンスターだよ」


「なるほどね。……もしかしてトライアイズって夜行性か?」


「いや、テレジコ空域は基本的に暗いからいつでも遭遇出来ると思うよ」


 なんだいつでも良いのか。カラスなんて言うからまた夜にしか出ないモンスターかと思ったよ。新しい場所に行くのに夜はちょっと面倒だから良かったよ。それじゃあ早速テレジコ空域。……行ってみますか。


 確か話によると門からじゃなくて格納庫から直接出発するんだよな?とりあえず乗り込めば良いのか? ……ルピウスに聞くか。


「ルピウス! ……テレジコ空域に行きたいんだけどこのまま乗り込めばい良いのか?」


「お、テレジコ空域に行くのかい。そのまま乗り込んでくれれば良いよ。乗り込むのが見えたら僕が出発の準備をするよ」


 出発の準備? 何か出発するのにルピウスが準備する事でもあるのかな。……まあ乗り込めば分かるか。


 クロードが乗り込むと同時に頭上から何か大きなものが動く音がしたのである。操縦席の上部分は透明になっているので音に気が付いて見上げたクロードには何が起こったのかよく分かった。


 なるほど、出発の準備ってのはこれか。今まで全く知らなかったけど格納庫の天井って開閉式なんだな。……ふふ、これはかなりテンションが上がるなぁ。テレジコ空域はスタラジア帝国の上にあるって言っていたよね。それじゃあ天井を抜けて行きましょうか。いざ、テレジコ空域へ。


――

テレジコ空域

――


 うんうん。視界は良好。気分も爽快。こいつは素晴らしいね。タスクがあるならいつでもここに来たいくらいはテンションが上がっているや。


 さて、そろそろ落ち着かないとな。まずは周囲の観察だね。……確かに夜と思うくらいには暗いね。それだけ上空にいるって言うことだろうな。そこかしこに見える岩みたいなものはガレキかな? 見た感じ結構漂っている感じだね。


 それじゃあ武器パーツの操作を確認しようか。……って言ってもレバーが一個しか無いんだよなぁ。


 クロードはアクィラのコックピットを一つ一つ確認するようにして見ていた。方向転換のためのハンドルや加速減速のためのペダル、テレジコ空域のMAPなどは他のE・L・Kと特に変わったところは無い。


 問題はクラウンレーザーを操作するための部分である。クロードが見ているものが正しければグリップが横に広いレバーが一つしか無いのである。


 ……こんな風に上下に大きく動かせるってことは多分これで角度を調整……、うん? グリップ部分に切り替えスイッチみたいなのがあるな。これを切り替えれば良いのかな? ……試しに切り替えてみたけどレーザーらしきものは何にも出ない。これどうやったら操作出来るんだ?


 レバーを上下に動かしたりグリップ部分の切り替えスイッチを左右に動かしてみたがクラウンレーザーからは何も発射されなかった。


 まだ何か見落としているものは無いかと注意深く見てみるとグリップ部分の左端、先端部部を右手で握るなら丁度親指がかかるくらいの場所に押し込めそうなスイッチを発見したのである。


 ……これか?とりあえず押してみるか。


 試しにそのスイッチを押してみるとついに発射口からレーザーらしきものが発射されたのである。発射されたそれは3方向に分かれながらまっすぐ飛んで行ったのだ。


 なるほどね。発射したければスイッチを押せば良いのか。……と言う事は恐らくクラウンレーザーを操作する際の最適な持ち方は親指にスイッチをかけながらレバーを握る感じだな。よしよし、大体分かって来たぞ。


 ……ところでじゃあこの切り替えスイッチは何なんだ? 発射にも関係しないのなら何のためのスイッチなんだろう。今左端になっているからそれを右端にしてみて……おぉ、出てくるレーザーが拡散せずにまっすぐ飛んで行ったぞ。


 それじゃあこれはレーザーの飛ばし方を変えるスイッチって言う事だな。間違って切り替えてしまわないようにしないとね。……今はまだこの武器パーツに慣れて無いから一旦まっすぐ飛ぶ設定にしておこうか。


 読んでくださりありがとうございます。

 知らない系統の武器パーツは操作が分からなくて困惑しますね。ちなみにですが切り替えスイッチは水道の蛇口をシャワーに切り替えるスイッチを想像していただけると分かりやすいかと思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ