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第八十九話 結果良ければ良いのさ


 ……うん、ちゃんと聞こえてるよ。……はぁ。そういやそうだったな。完全に忘れていたよ。今日中だからナップスクイードに遭遇することは不可能じゃないか。


 クロードは少しの間虚空を見つめていた。そうすることで気分が少し晴れるのだろうか。反応があまりに悪いのでルピウスは聞こえているか聞き続けている。その声がコックピットの中で虚しく響いていた。


「……あぁ、ルピウスちゃんと聞こえているよ」


「……良かった。別の方向を向いたまま全然反応が返って来ないから聞こえていないのかと思ったよ。それでそれがどうかした……」


「それ以上はいけない。……俺はこれよりコールババームの採取に集中する。……教えてくれてありがとう。」


 半ば投げやりになったやり取りだがルピウスもこれ以上は聞かないようだ。そのことにも感謝しつつクロードは採取ポイントへと向かったのである。


 ……さて、到着したぞ。なんだかここに着くまであった気がするが気のせいだな、うん。ここでなんとか2つコールババームが採取出来ればそれで良し。出来なければ……、そうだな。夜のコールバの海に出かけようか。


《コールババーム×1を手に入れた》


よし! ……もう1個。……頼むぞ!


《コールババーム×1を手に入れた》


 素晴らしい! 絶対湿った丸太が手に入ると思ったよ。ひとまずはこれで期限ありのタスクが達成出来たな。これを報告しに行って、その後でゆっくりナップスクイードの討伐タスクを進めるとしようかな。……夜のコールバの海でね。


――

スタラジア帝国

――


 ……帰還したね。ちょっと上手くいかなかったこともあったけど、タスクが無事に終わって良かったよ。それじゃあ教官室に行く前に鍛冶屋に行かないとね。確か手持ちの設計図を全部預けていたんだよな。


――

鍛冶屋

――


 鍛冶屋に入るとピクトはちょうど作業中だったようで真剣な表情で作業に没頭していたのである。作業に没頭しているのに邪魔するのも悪いとクロードは椅子かどこかに座って待とうとした。……のだが椅子を引こうとした肘が当たってしまい盛大な音を立て物を散らかしてしまったのである。その音に気付いたピクトがこちらに顔を向けた。


「……? あぁ、お前さんか。来てたのに気づかなかったよ。悪いな」


「邪魔しないようにって思ったんですが……、すみません。……あの、これはどうすれば?」


「あぁ、後で片付けるから放っておいて良い。……ええと、そうか。武器パーツを受け取りに来たんじゃな。クロード、渡された設計図の武器パーツは既に出来ておるぞ。受け取るが良い」


《アイアンスマッシュを手に入れた》

《アイアンアックスを手に入れた》

《グランドシェイカーを手に入れた》

《アイアンアローを手に入れた》

《ノーマルキャノンを手に入れた》


 おぉ、これだけ一気にもらうとちょっとワクワクして来るな。……まあそのうち3つ被りなんだけどな。


 新しく手に入った武器パーツはアイアンスマッシュとノーマルキャノンだな。新しく手に入ったって言ってもアイアン〜とノーマル〜はどう言う特徴かは知っているし、スマッシュは槌系統、キャノンは砲系統って言うのも知っているんだよな。


 確認の必要すら無さそうだけど……、一応見ておくか。ある程度予想が出来るし格納庫に帰ってからよりかは今見る方が良いね。


――

武器パーツ

アイアンスマッシュ(槌)拡張スロット:なし

攻撃 +10 速度 −10

ノーマルキャノン(砲)拡張スロット:なし

――


 うん、予想通りだな。やっぱり普通の設計図から手に入るような武器パーツで目を引くような性能のものは手に入らないよね。金の設計図が手に入るなら良いけど、そんなに数手に入る訳でも無いしその分お金もかかっちゃうからな。幸い武器パーツが足りない……って言うことは無いからこれからは気長に金以上の設計図を探すことにしようかね。


 今回は武器パーツを受け取る以外に鍛冶屋に用事は無い。クロードはピクトに軽く挨拶をして鍛冶屋を出てタスクの報告のため教官室へと向かったのであった。


――

教官室

――


 クロードがノックしてから教官室へ入ると座りながら微笑みを浮かべているレオと目が合った。そして右横のホログラム近くにはやはり微笑みを浮かべているケトの姿があったのである。ケトがなぜここにいるのか、そしてなぜ2人とも微笑みを浮かべているのか。謎だらけの状況にクロードは少しばかり固まっていた。


「……ええと、」


「クロードか、タスクの報告だな」


「そうです。……けど、どうして今ケトさんがいるんです?」


 レオはいつも通り進めようとしているようだがそうだとクロードが困るのである。別に聞かれて困る内容では無いのだが、なぜケトがここに居るのか謎のまま進むのがクロードには少しばかり気持ちが悪かったからである。


「それはもちろんあなたが無事にタスクを終えられたと報告があったからですよ。いやはやこんなにも早くにタスクをこなされるとは恐れ入りました。……凄まじい速さで実績を積み上げる騎士がいるとの噂は誠であったようですな。」


 ケトはそもそもタスクの依頼者であるため、タスクを達成したとの知らせを受けてわざわざ教官室までやって来た。確かにそれは答えとしては成立しているのだが自分の知らないところで何やら話が進んでいるようなむず痒さをクロードは感じていた。


「……確かにタスクは完了している。依頼者も見ての通りとても満足しておられる。これはタスクの報酬だ。受け取るが良い」


《25000Gを手に入れた》

《虹の設計図(陸)を手に入れた》


 読んでくださりありがとうございます。

 無事に? コールババームを規定数採取完了しました。案外早かったですね。そして報酬がかなり豪華のようです!

虹の設計図……、いったいどんな武器パーツが手に入るんでしょうか?

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